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メルカリで「スノーピーク製品」の出品が増加…“アウトドアブーム終焉”によって残念な事態に

販売形態は3種類

スノーピークは基本的に製品の製造を他社工場に任せており、自社では企画開発と直営・卸売を担っています。主な販売形態として直営店とインストア、ディーラー卸の3種類があります。そしてインストアとディーラー卸はいずれも、WILD-1やアルペンアウトドアーズなどのスポーツショップや家電量販店等にコーナーを設けて販売する卸売形態です。各販売形態の内訳と22年12月期の売上高は次の通りです。 直営店:自社で管理する小売店での販売(直売):44.4億円。 インストア:スポーツショップにコーナーを設けて販売する卸売形態。販売員は自社スタッフ:46.3億円。 ディーラー卸:スポーツショップにコーナーを設けて販売する卸売形態。販売員は卸売先スタッフ。ECへの卸も含む:98.9億円。 コロナ禍では上記販売形態の全てで売上が伸び、メインのディーラー卸に関しては19年度から22年度にかけて2倍に拡大しました。

ライト層がスノーピーク製品をメルカリに出品?

ただ、アウトドアブームも過ぎ去り、スノーピークの業績も悪化に転じました。売上高と利益、各業形態別の売上高は22年度、23年度間で次のように推移しています。 売上高:308億円→257億円 営業利益:36.7億円→9.4億円 最終利益:19.5億円→100万円 直営店:44.4億円→46.5億円 インストア:46.3億円→39.3億円 ディーラー卸:98.9億円→52.3億円 報道では最終利益が99.9%以上も減少したことが話題となりました。とはいえ形態別に見ると自社が手がける直営店やインストア業態は大きく落ち込んではいません。 主な悪化要因はディーラー卸の売上が減少したことにあります。卸売先での売れ行きが落ち込み、在庫過多の状態も発生したようです。最近ではメルカリやリサイクルショップでスノーピークの商品が数多く出回る事態にもなっています。テントなどのアウトドア用品は頻繁に買い替えるものではありません。趣味として定着しなかったライト層が手放したことが原因と考えられます。
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海外では国内と異なる施策が求められる
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経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 Twitter:@shin_yamaguchi_

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