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メルカリで「スノーピーク製品」の出品が増加…“アウトドアブーム終焉”によって残念な事態に

今後は米国&中国市場の開拓を視野に

なお、今後は米・ファンドと手を組んでMBOを実施し、非公開化で経営陣の自由度を確保した上で再起をかける方針です。米・プライベートエクイティのベインキャピタルが1株1,250円でのTOBを決定しています。非公開後はスノーピークの株をベインが55%握り、残りの45%を創業家である山井家が保有するとみられます。 ベインはこれまでも買収した企業の価値を高めてから売却し、利益を得る手法で投資を行ってきました。ベインのノウハウを活かし、米国および中国での開拓を進めるようです。ちなみに23年度における米国・中国での販売高はそれぞれ23.4億円・11.3億円とスノーピーク全体に対する規模は小さく、伸びしろがありそうです。 スノーピークは24/12期売上高を22年度と同規模の306億円と予想していますが、達成は不可能に近いでしょう。国内直営店の売上が堅調なようにコアなファンによる売上は維持する一方、ライト層向けといえる卸売の売上は容易には回復しません。再起にはやはり海外市場の開拓が必須ですが、こちらも年内の成長で国内の減少分を補うのは難しいです。

海外では国内と異なる施策が求められる

米中への進出は長期で考える必要があります。米国の場合、キャンプは日本のようなテントではなく、キャンピングカーで寝泊まりするのが一般的です。シャワーやWi-Fiなどの設備が充実したキャンプ場も多く、アウトドアを楽しみながら仕事をする人も多いようです。現地のオートキャンプに合わせた商品開発が求められます。 一方、中国では日本と同様、コロナ禍でアウトドアブームが起きましたが、「Columbia」や「THE NORTH FACE」といったアメリカブランドの他、現地ブランドも人気を博しています。既に競合がいる中、日本と同じような中~高価格帯設定では険しい道を歩むことになるでしょう。 依然、ステイタス性を重視する消費者が多いため、より高価格設定のハイブランドとして攻めると成功するかもしれません。いずれにせよ海外では国内と異なる施策が求められます。 <TEXT/山口伸>
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 Twitter:@shin_yamaguchi_
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