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千葉vs埼玉の「関東第3位戦争」が終結?明暗を分けたのは鉄道だった

晴海・有明・豊洲新路線開業に沸くタワマン争奪戦!

首都圏[鉄道(裏)バトル]大調査

東京臨海副都心初の路線は新交通システム・ゆりかもめ。沿線には有明・豊洲など再開発が活発。豊住線と臨海地下鉄の開業で江東区の地価も激変か?

東京湾岸エリアに、2つの新路線の計画がある。東京メトロ有楽町線・豊洲駅と半蔵門線・住吉駅を結ぶ「豊住線」と、東京都心と有明・東京ビッグサイトを結ぶ「臨海地下鉄」だ。既に、この路線に絡んだ不動産投資家たちがマンションの奪い合いが始まっているという。 「新規開通で湾岸エリアは、確実に土地価格、マンション価格ともに値上がりが期待されるからです」 そう話すのは住宅ジャーナリストの榊淳司氏だ。実際に湾岸エリアに95年に開通した「ゆりかもめ」は、16駅で新築供給された物件の多くが高い利益を出した、という“強い実績”を持つ。 過去の成功体験を鑑み、ゆりかもめの市場前駅や東京ビッグサイト駅の近辺に注目が集まっている。

豊住線と臨海地下鉄の開業で江東区の地価も激変か?

「今は交通が不便でさほど値段は高くなく、マンションの購入価格を低く抑えられます。ただ、臨海地下鉄の開通で化ける可能性は十分にあり、今後2、3年で売りに出される新築タワマンの先物買いが行われる。今、安いマンションを買って、あとで売る、というのでも十分利益は出ます」 不動産投資家たちが「狙い目」と沸き立つのもわかるが、臨海地下鉄が開通するのは’40年代半ば以降。新築で購入したタワマンも、売るときには築20年の中古物件になっているが……。 「新線が通れば高騰が期待できるし、少なくとも下落する可能性は低いでしょう。地下鉄開通の暁には、築20年くらいになっているが、買値で売れれば20年間の家賃がタダになったのと同じ。売却益は出なくても、うまみは大きい」 新線開業までまだ十数年。 湾岸エリアのタワマンの値踏みはもう始まっている。
首都圏[鉄道(裏)バトル]大調査

小川裕夫氏

【フリーランスライター・小川裕夫氏】 カメラマン。行政誌編集者を経て現職。鉄道インフラや都市計画、地方自治に精通する。『歴史から消された 禁断の鉄道史』(彩図社)、『全国私鉄特急の旅』(平凡社新書)など著書多数
首都圏[鉄道(裏)バトル]大調査

榊 淳司氏

【住宅ジャーナリスト・榊 淳司氏】 榊マンション研究所主宰。主に首都圏のマンション市場を分析し情報を発信。資産価値評価の有料レポートを提供する。『2025年東京不動産大暴落』(イースト新書)など著書多数 <取材・文/週刊SPA!編集部 イラスト/市橋俊介>
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