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高学歴なのに生きづらい“弱者男性”はなぜ生み出されるのか。トイアンナ×牛窪恵

余計な情報をシャットアウトして自分の内面と向き合って

[高学歴弱者]の肖像

「余計な情報を遮断して自分の内面と向き合う時間を」(牛窪 恵氏)

トイ:そうですね。いい家で育った人ほど、弱者であるという現実に恥の意識が強い傾向にあります。「男らしさ」から降りるのは怖い、また降りると自分が損をするのではないかという規範が根強く刷り込まれています。かといって、自分を変える方法もわからない。たとえば婚活なら、洋服など見た目をある程度変えれば解決できる可能性があっても、家族の介護や病気とはずっと付き合わなければいけない……。メンタル崩壊ギリギリの状態で、人生の長期戦略を考えられない悪循環に陥っているのだと思います。 牛窪:人生を見つめ直すのにおすすめなのは、1週間に30分でもいいので、スマホから離れて完全なひとり時間を確保すること。お酒やコーヒーを飲みながらでも、散歩しながらでもいいので、余計な情報をシャットアウトした上で自分の内面と向き合うと、自分の認知を客観視できたり(メタ認知)、その先の進路変更にも前向きになれたりします。 トイ:私は、副業解禁やリモートワークは高学歴弱者にとって福音になるのではと思っていて。会社を辞めなくても、違う環境でデュアルキャリアを築ける時代。キャリアの中座を意識してみることは、無駄にならないと思います。 牛窪:今後はメタバースやAIアバターなど、対面でのコミュ力を必要としない場所も確実に増えていきます。高学歴という足かせに縛られすぎず、自分の幸福を一番に考えてみてほしいです。 【牛窪 恵氏】 世代・トレンド評論家。立教大学大学院(MBA)客員教授。経営管理学修士。マーケティング会社インフィニティ代表。『恋愛結婚の終焉』ほか著書多数 【トイアンナ氏】 ライター・経営者。P&Gジャパン、LVMHグループでマーケティングを担当後、独立。弱者男性を生み続ける日本の現在を、初めてデータで分析した新書『弱者男性1500万人時代』。4月24日に扶桑社より発売 <取材・文/週刊SPA!編集部>
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弱者男性1500万人時代 (扶桑社新書) 弱者男性1500万人時代 (扶桑社新書)

データで読み解く“弱者男性国家”ニッポンの現在

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