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「設計の専門職で入ったのに現実は…」入社半月で辞めた新入社員が、退職代行サービスに頼った理由

 この4月に社会人デビューした人たちがすでに退職ラッシュをキメている。しかも自ら退職届を出すのではなく、「退職代行サービス」を利用しているという。  人気拡大中のサービスだけあって、利用方法はいたって簡単。代行業者と打ち合わせのうえ退職日を決め、料金を支払うと、業者が本人に代わって会社に退職の連絡をしてくれるのだ。彼らはなぜ業者にすがったのか、事情を探るべく直撃してみた。

設計職で新卒入社したが「現実はコールセンター」

吉野和樹さん(仮名・23歳)

目下、転職活動中の吉野和樹さん(仮名・23歳)。「就活の詰めが甘かった。会社の大小にかかわらず、自分に合うところを探したい」

 新卒で上場企業の電機メーカーに就職し、関東近郊に住む吉野和樹さん(仮名・23歳)。入社から半月もたたずに、退職代行サービスを利用したそうだ。 「設計の専門職で入ったのに、現実はコールセンターでした。それも修理依頼の窓口で、クレーム対応に近い。お客様は機器が動かないと仕事にならないので必死です。型番や在庫の確認に手間取っていると『なぜ自社製品のこともわからないんだ』と毎日怒鳴られる。始業開始から電話は鳴りやまず、家に帰っても電話対応する悪夢まで見るようになりました」

将来性のある上場企業だったが…

 内定先はコロナ禍でも着実に成長を続ける上場企業で、申し分なかった。学生時代に学んだ専門知識も生かせ、配属先も概ね希望通り。でも業務内容は「話と違った」のだ。 「会社の成長スピードに人材確保が追いついていないんです。だから修理保守部門だけでは対応できず、ほかの部署の人たちも電話を取らなければならない。就活時の会社説明会ではそんなことひと言も言ってくれませんでした。入社してから、自社製品や電話対応の研修もほとんどないまま、現場に放り込まれました。10年以上在籍している先輩は『マルチタスクが身につくよ』と自嘲気味に電話の合間に図面を描いています」
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人事部からの一言で、心が折れた
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