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店内でおもらし、開店前に侵入…“迷惑老人”に苦しむ携帯ショップ店員の本音「ここは老人ホームじゃない」

迷惑老人から罵声を浴びせられる毎日

迷惑老人に苦しむ携帯ショップ店員

大手キャリアの販売代理店で働く高田さん

 高田花さん(仮名・20代)は都内の携帯ショップに5年間勤めている。学生時代に接客業のアルバイトを経験し、「お客様の笑顔が見たい」という思いから選んだ仕事だった。 「一番のやりがいは『あなたに頼んでよかった』と言ってもらえることですが、感謝されることはほぼありません。むしろ『そんなことで金をとるのか』『お前のせいで故障した』と怒られる毎日です」  罵声を浴びせてくる人の大半が高齢者だという。 「若い人は自分で機種変更やキャリア変更をできるので、携帯ショップに来店されることは少なくなってきました。今ではお客様の9割が高齢者で、その半分以上が“迷惑老人”です」  高田さんを苦しめているのは「お客様は神様」という昭和生まれの精神。「すべてに応えていたら仕事にならない」と語る。

「アンテナ壊れた」「アプリ消えちゃった」で来店

「オープン前にドアをこじ開けて入ってきて、『膝が悪いから座らせてほしい』と言ってくる80代の女性がいます。『開店準備があるので外でお待ちになってください』と伝えても『後期高齢者に冷たくするのか』と騒ぐので、なだめるだけで一苦労です。  肝心の要件はいつも、そんなことで?という内容ですね。この前は、『通信アンテナが壊れた』と意味不明なことを言われ、実際は機内モードになっていただけでした。  他にも、『通知のランプが消えない』とか、『アプリを消しちゃったから入れなおしてほしい』とか、本当に私がやることなのか、と思ってしまうお願いをしてくる迷惑老人は多いですね。スマホを購入した店舗であれば、何でもしてくれると勘違いしてるんです。  こういう人たちは『簡単なことなんだからすぐやってくれ』ってよく言うんですよ。簡単ならお前がやれよって思います(笑)。お客様は神様だって本気で思ってるんでしょうね」
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「ここは老人ホームじゃない」とうんざり
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