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松本潤、西島秀俊etc.「大物俳優の独立」が止まらないワケ。背景に“稼げる交渉人”の増加も

円満退社の多部未華子

 多部未華子は3月末に約20年所属した大手芸能事務所・ヒラタインターナショナルを離れた。自由度が高まる。  4月25日に宝石関連のイベントに参加した際には独立後の抱負について「海外に住んでいる友達が多いので海外に行きたい」「ニューヨークで散歩をしたい」と語った。独立しないと難しかった。  また、自由度を高めたい背景には2019年に写真家の熊田貴樹と結婚したこと、2021年に第1子を出産したことも関係しているに違いない。  多部は円満退社だ。近年の一線俳優の独立はほとんどがそう。 「円満退社し、独立後も前所属事務所との関係は断たず、何かあったら相談に乗ってもらう。お互いに協力する。庇護も受ける。完全に個人でやる人は滅多にいない」(B氏)

大手の傘下に入るメリットとは

 大手芸能事務所のアミューズを2022年に離れて独立した上野樹里(38)も同社と決別したわけではない。同社元幹部が興したDon-crewと業務提携している。  2021年にアミューズを離れた佐藤健(35)神木隆之介(31)の所属するCo-LaVoもアミューズ元役員が代表を務め、同社から出資も受けている。系列会社なのである。  前所属事務所と決別する独立組もいるが、代わりに別の大手芸能事務所の傘下に入るケースが大半。理由はエージェントと契約する目的に近く、それが良い仕事をスムーズに得るのに役立つからだ。  黒木華は3月末に約13年所属したパパドゥを離れた。その際、
「心から感謝しております」と声明し、一方で同社側も応援のメッセージを出した。これで分かるとおり、トラブルに端を発した退所ではなく、やはり自由度の高まりを求めたものだろう。  黒木は2014年の映画『小さいおうち』(山田洋次監督)で第64回ベルリン映画祭の最優秀女優賞(銀熊賞)に輝いた。また、京都造形芸術大に在学中は学生演劇界の大スターだった。今後は映画と舞台への出演がより増えるのではないか。  やはり3月いっぱいで鈍牛倶楽部を退社した田中哲司は多数のドラマ出演で知られるが、実は舞台志向が以前から強い。退社直前の3月にも主演舞台『ボイラーマン』(東京・下北沢本多劇場)に立った。こちらは舞台が増えそうだ。 <文/高堀冬彦 写真/産経新聞社>
放送コラムニスト/ジャーナリスト 1964年生まれ。スポーツニッポン新聞の文化部専門委員(放送記者クラブ)、「サンデー毎日」編集次長などを経て2019年に独立。放送批評誌「GALAC」前編集委員
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