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熟女キャバクラに通う70代の老人が「“お兄ちゃん”って呼んで」“熟女人気”のリアルとは?

ガチ恋おじさんの切ない日常

頬杖をついた女性

※写真はイメージです。以下同(Photo by AdobeStock)

 とはいえ、おじさんだって色っぽいハプニングに全く期待していないわけではありません。指名嬢がいれば、いつかは結ばれたい、あんなことやこんなことがしたいと夢見ることもあるでしょう。  格安店ながら、ひと月に200万も400万も売り上げる人気嬢もいます。今晩は誰が彼女と「ロンリーチャップリン」をデュエットするのだろう……と、おじさんたちはハラハラドキドキしているようでした。  ある日、人気嬢の幼馴染さんが来店したことがありました。おじさんは、彼が彼女のことを下の名前で呼び捨てにしているのが癇に障ったようで「節度を持ってくれないと困る」と、腹を立てていました。おばさんが呼び捨てにされようが、ちょっと女の顔になっていようがけっこうどうでもいい気がしますが。  おじさんの目には「初恋の彼と再会したヒロイン」として映ったのかもしれません。

熟女人気の実態

   おじさんは、大切な宝石に触れるように彼女の手に触れました。「ああ見えて苦労してるんだよ」「あんなに小さな身体で頑張っちゃってさ……」とおじさんたちは彼女について私に語りました。“若い女にはない弱さ”がおじさんの父性をくすぐるのかもしれません。  生意気なキャバ嬢の「シャンパン飲みたい」より、おばさんキャバ嬢の「シャンパン飲みたい」の方がより切実さがあるというか、健気さがあるというか。  若い女の子にはキモおじ扱いされるかもしれない、というかほぼ確実にされるのですが、おばさんなら自分を受け入れてくれるかもしれないなどの期待もあってか、かなりお金を使い込んでいるおじさんもちらほらいらっしゃいました。  とはいえ、お客様は60代から70代がメインです。熟女扱いされているおばさんたちですが、彼らより20も30も若いわけです。それでもおじさんにとっては、おばさんはおじさんをバカにしないだろうという安心があるのかもしれません。  冴えない、なんならちょっと頑張れば手に届くおばさんを、安心して追いかけたい、というおじさんの心情が熟女需要を支えていそうです。  同じ40代、50代の女性を追いかけるとしても、高級クラブのママなど、いかにも手強そうな相手ではなく、熟女キャバクラに勤める女性を選んでいる点もミソな気がします。
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30代は若手扱い
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1989年生まれ。新潟県長岡市出身。関西外国語大学卒業後、大阪市内の広告代理店に勤務する傍ら、キャバ嬢デビュー。結婚、離婚、地方の激安キャバクラを経て、現在は銀座ホステスとライターを兼業。X(旧Twitter):@mizuechan1989

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