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「投資やビジネスで失敗」「住宅ローンが終わらない」老後も“借金苦”になるシニアが増えている

コロナ後激増?ビジネス・投資の借金

シニア

写真はイメージです

最近多いのがビジネスで借金を背負ってしまったシニアだ。ビジネスだけでなく、投資に失敗して借金を負ったシニアも増えているので、併せて解説しよう。 ビジネスによる借金は、コロナ禍による直接的なものや、それ以降のゼロゼロ融資の返済、猶予された社会保険料の納付などに関連して増えた印象がある。実際に、私たちが就職を支援したシニアの中にも、他に自分が経営する会社があったり、個人事業主として活動したりしながら、コロナ後の苦しい状況から他の仕事を掛け持ちするシニアもいるし、自分の会社を閉業して就職活動をするシニアもいる。 また、中には退職金を元手に起業したものの、失敗して借金を背負ってしまったケースもある。これと似たパターンで、退職金やそれまでの貯金を増やそうと投資にチャレンジした結果、資産を使い果たして借金まで作ってしまうシニアもいる。 株の現物取引では投資した分の価値がゼロになっても、借金にまではならないが、先物取引やFXの場合は投資分を上回るマイナスになり、借金を作ってしまう場合がある。また、不動産投資は初期コストが高く、借り入れをする場合もあるため、利益が出ないと借金返済に苦しむことになる。 コロナ禍は仕方ないとしても、起業や投資の失敗には十分気をつけたい。この2つでは、十分な準備と慎重な計画があれば回避できる失敗もある。 何かの実務では右に出るものがいないプロフェッショナルのシニアだったとしても、経営や他部署の業務が得意とは限らない。経営判断を誤る、営業が得意ではないなど、起業によって得意領域以外も自分でやる必要が生じ、そこでの失敗の結果、事業が立ち行かなくなることも多い。投資も同じく、慣れない人が知識や準備が不足したまま大きなリスクを取ったことで、深刻なダメージにつながっていそうだ。

子供の扶養が続く60代も多い

住宅ローンやビジネス以外にも、趣味や車などで借金を抱えているシニアがたまにいる。また、必ず借金があるわけではないものの、子供のためにお金が必要なシニアも少なくない。 60代でも子供を扶養している、大学生の子供がいるといったシニアの話は頻繁に聞く。これには晩婚化の影響もあれば、離婚して連れ子のいる新しい配偶者と結婚した場合や、新しい配偶者との子を高い年齢で設けた場合などもある。 教育ローンなどを組んだ場合には、借金を抱えてしまうし、そうでなくても子供を養い、学費を払うには大きなお金が一定の期間必要になる。長く働けて条件の良い職場を探す強い動機となるだろう。 いずれにしても、50歳くらいをピークに、それ以降、給与は下がりがちになる。役職定年や定年での下落幅は大きく、40代以前の資金計画が大きく狂いやすいので注意が必要だ。 転職を考えても、転職市場での給与相場も年齢とともに下がり、また、体力も低下していくため、評価と給与を上げるのは簡単ではない。給与や体力の低下を織り込んだ、慎重なキャリアや資金の計画が求められる。 逆に60代で余裕を持った暮らしや仕事ができているシニアを見ると、一部の高所得者は別にして、しっかりとキャリアや資金の計画を立ててきた人が多いことに気づく。配偶者を早くに亡くして、一人で子供を大学に行かせても、余裕を持って趣味にも時間をかけられる60代を送っているシニアもいる。 挑戦が悪いわけではないが、キャリアと資金の計画は慎重に立て、余裕のある老後を過ごしたいものだ。
50代以上のシニアに特化した転職支援を提供する「シニアジョブ」代表取締役。大学在学中に仲間を募り、シニアジョブの前身となる会社を設立。2014年8月、シニアジョブ設立。当初はIT会社を設立したが、シニア転職の難しさを目の当たりにし、シニアの支援をライフワークとすることを誓う。シニアの転職・キャリアプラン、シニア採用等のテーマで連載・寄稿中
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