更新日:2024年07月04日 15:43
お金

JRが“リニア開業”より“夜行列車の復活”を優先すべき理由「廃止が相次いだ当時と状況が大きく異なる」

マイナーな都市の需要が高まっていた

 もう一つ、興味深いデータとして、外国人旅行者の訪問先のデータがある。 「インバウンド需要」と聞くと東京や大阪といった大都市に需要が集中していると思う人もいるだろう。しかし、実際に日本を訪れた外国人の足取りをよく見てみるとマイナーな都市の需要も非常に高いことがわかるのだ。  ナビタイムジャパンが提供する訪日外国人向けに展開するアプリ「ジャパントラベル・バイ・ナビタイム」のデータ分析によると、外国人訪問数の伸び率の高い市町村別は、北海道や山形県、茨城県などの太平洋ベルトから外れたエリアなのだ。 訪日外国人数伸び率トップ100市町村(2019年と2023年の1月~5月を比較。ナビタイムジャパン調べ) 第1位:北海道当別町  第2位:山形県高畠町  第3位:茨城県北茨城市 第4位:秋田県能代市 第5位:新潟県見附市  つまり、これまでは訪れなかった土地に外国人旅行者は目を向け始めているのである。

「日本の夜行列車」には引きがある?

 さらに追い風なのは外国人観光客の多くが夜行列車に対して好意的であるという点だ。  例えば現在唯一運行しているサンライズ出雲利用者のYouTube動画は8700万回以上再生されており、海外からのコメントが多いのが特徴。外国人は「日本の夜行列車」に強い興味を持っていることが伺い知れる。
次のページ
「アクセスがよくない」高山市がさらに伸びる可能性も
1
2
3
4
5
6
EC・D2Cコンサルタント、Amazon研究家、株式会社GROOVE CEO。慶應義塾大学環境情報学部卒業後、新卒採用第1期生としてアマゾンジャパン合同会社に入社、出品サービス事業部にて2年間のトップセールス、同社大阪支社の立ち上げを経験。マーケティングマネージャーとしてAmazonスポンサープロダクト広告の立ち上げを経験。株式会社GROOVEおよび Amazon D2Cメーカーの株式会社AINEXTを創業。立ち上げ6年で2社合計年商50億円を達成。Youtubeチャンネル「たなけんのEC大学」を運営。紀州漆器(山家漆器店)など地方の伝統工芸の再生や、老舗刃物メーカー(貝印)のEC進出支援にも積極的に取り組む。幼少期からの鉄道好きの延長で月10日以上は日本全国を旅している

記事一覧へ
おすすめ記事
ハッシュタグ