「ポケカ入ってますか?」と朝4時から“鬼電”。コンビニ店員が頭を抱える、多様すぎる業務と迷惑客
多くの人々にとって、コンビニは身近な存在となっている。毎日のように利用する人もいるのではないだろうか。前回の記事では、そのコンビニでいわば“傍若無人”に振る舞う数々のモンスターカスタマーを紹介した。
コンビニで商品を購入する行為は売買契約だ。民法は客(債権者であり債務者)のほうが“偉い”などとみなしたりはせず、両者を全く対等に扱う。客という立場に乗じた結果店の業務に支障をもたらす行為は、違和感を覚えた人も多いのではないだろうか。
現場で迷惑客の対応をするだけでも見るからに大変そうだが、東京都内の某高級住宅街、コンビニ大手3社のうちの1つで働くRさんいわくコンビニスタッフの苦労はそれだけにとどまらないという。近年、コンビニスタッフの業務が多様化するあまり、特徴的な“ある業務”が激増しているというのだ。
「コンビニの仕事って接客だけでも大変なんです」と語るRさん。品出しもして、掃除もして、夜勤は2人体制だが、もうちょっと人を増やして欲しいのが正直なところだという。
「最近多いのが、ポケモンカードの入荷問い合わせ電話で……。どうやら『この日にこの店に入荷する』という情報がネットである程度分かるようになってるみたいなんです。入荷するとき、問い合わせの電話がすごいんですよ。『ポケカ入ってますか?』って。朝4時でもかけてくるんです。おそらく転売ヤーですよね。最初は正直に答えてたんですけど、上からの指示で『聞かれても答えなくていい』ってなって」
転売ヤーのすさまじい“商魂”に、Rさんも困惑ぎみだ。
「来店してきて、朝の忙しい時間帯に商品のカードを全部購入されると、もうほかの仕事できなくなるんですよ。もう1人のスタッフのレジに列ができていたりして。なんとか規制できないのかな、とは思いますけどね……」
こういった諸々の問題は、結局は“人員の少なさ”に帰結するのだという。外国人のコンビニスタッフを見かけることも増えたが、モンスターカスタマーは、外国人のスタッフにも難癖をつけることが多いようだ。
「バングラデシュ出身のスタッフに、なんでもないことで怒鳴ったりする高齢者もいました。外国人のスタッフって、だいたいその国のエリートなんですよ。帰国したら省庁で働いたり、大学を卒業したら大手企業に入ったりですとか。超エリートでめちゃくちゃ仕事できる外国人がやってるんですけどね」
しつこい「ポケカ」の入荷問い合わせ
海外では超エリートのスタッフに怒鳴る
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障害者雇用でIT企業に勤務しながらの兼業ライター、小説家。ビジネス実務法務検定2級、行政書士試験合格済み。資格マニアなのでいろいろ所持している。バキバキのASD(アスペルガー症候群)だが、パラレルキャリアライフを楽しんでいる。Xアカウント名:@writer_nobuoka
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