貯金ゼロの貧乏ママが“資産1億円”を達成するまで。1日14時間以上の勤務に疲れ果て「これは続けられない」
岸田政権は、2023年を「資産所得倍増元年」とし、今年からNISAの非課税限度額を引き上げるなど、貯蓄から投資へのシフトを国民に促している。長期の円安や国際的な政情不安など、われわれの懐事情に打撃が続くいま、少額でも投資をするのは、デフォルトになりつつあるようだ。
現在の櫻井さんは、資産額1億円を超え、「投資の学び舎スクール」を主宰し、著書『投資への不安や抵抗が面白いほど消える本』(Gakken)を上梓するなど、投資のエキスパートとして活躍している。
しかし、最初からスムーズに成功できたわけではない。それどころか、キャリアの最初の一歩は、あまりにもキツい会社勤めであった。櫻井さんは、次のように打ち明ける。
「2010年に外資系の製薬会社に就職しました。職種はMR。これは医薬情報担当者の略称で、分かりやすくいえば、お医者さんを相手にした営業職です。仕事はかなり大変で、早く仕事を辞めたいという気持ちになりました。それで、入社2年ぐらいで結婚をして寿退社しました。ですが、1年足らずで別居となり、離婚しました。離婚の原因は、性格の不一致。大事なお金の話ができず、それが大きな引き金となりました」
まだ子供はいなかったが、貯金もなく、仕事も、収入もなかったため、いったん実家に戻ったという櫻井さん。その後、別の外資系製薬会社に中途採用され、再びMRに就く。そこでも激務で、朝は7時半ぐらいから始業。深夜の12時ぐらいまで働くという、仕事漬けの日々だった。
「ただ、給料は良く、成績優良であれば賞与も多くもらえて、お金の面では満足でした。そこでは7年間務めました。退職した直接のきっかけは、再婚して子供を出産したことです。でも、それ以前から心の底で、会社を辞めたいという気持ちはありました。仕事はハードで、部署内の離職率も多め。うつ状態になる人もいたくらいです。待遇はよくても、これは続けられないぞと思っていました」
そんな櫻井さんが、投資に目覚めたきっかけは、再就職間もない26歳の頃。「いつ、また働けなくなるかわからない」という不安感からであったという。いうまでもなく、仕事の大変さも投資への情熱に拍車をかけた。経済的自由さえつかめれば解放されるというのは、何よりも大きなモチベーションとなる。
一方、まったくの未経験者には、投資には不安や抵抗感がつきまとう。本当に大丈夫なのだろうか?そこで今回は、知識ゼロから投資を始め、FIREを達成した櫻井かすみさんにお話をうかがった。
外資系製薬会社を寿退社。しかし…
1日14時間以上の勤務に疲れ果てて…
ライター、写真家、ボードゲームクリエイター。ちょっとユニークな職業人生を送る人々が目下の関心領域。そのほか、歴史、アート、健康、仕事術、トラベルなど興味の対象は幅広く、記事として書く分野は多岐にわたる。Instagram:@happysuzuki
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