――今作ではこれまでの歩みを振り返っていますが、今年の「i☆Ris 9th Live Tour 2024 愛たくて…Full Ener9y!!」の東京公演のMCにて、「上に行く前に自分が枯れ果ててしまいそうと思ったこともあった」と語っていました。特にどんな瞬間にそう感じていたのでしょうか。
周りからは「5人体制になったときは大変だったでしょう」と言われがちなんですが、私のなかでは少し違っていて。ひとり卒業して、世はコロナ禍という状況だったけど、私は逆境になればなるほど元気になるんです。
「i☆Risヤバいんじゃない?」って思われてるのは逆にチャンス。5人で今まではやっていなかった曲にも挑戦できる。まさにそれが実現した数年間でした。5人になってからのほうが、自分の好みの曲が多いくらいです。
ただ、人数が変わってフォーメーションが変わるのはしんどかったかも。ゼロから新しい曲を覚えるより、今まで身体に染み付いていたフォーメーションがちょっとだけ変わる方が難しいんですよ。
加えてシングルの収録やMV撮影、ツアーがドドッと重なった時期はさすがにキツかった……。「Summer Dude」を出した時期は、短時間で振り覚えして撮影、さらにツアーのフリ入れも重なる、みたいな状況で。
特に印象に残ってるのは、「Cheer up」のMV撮影かな。i☆Risだけじゃなくて、それぞれの仕事とか、いろいろなことが重なったタイミングだったのか、ほぼみんなが泣いてました。私も首を痛めたり、いろいろありましたね(笑)。
求められてるうちはずっとアイドルでいたい
――周りのメンバーたちについて、12年前と比べて変化を感じることはありますか?
みんな根っこの部分は大事にしつつ、協調性が芽生えてきてると思います。私も昔は協調性が大事だと思ってたんですけど、振り返ってみると、我が強いメンバーがいてくれてよかったとも思うんです。
周りに合わせてるだけでは良くない業界だし、スタッフさんにちゃんと挨拶したり、「仕事くださいよ〜」ってぐいぐい話しかけたりしてくれて。私にはそんなことできない。メンバーへの有難みを、年々強く感じるようになってますね。
――11月4日には「i☆Ris 12th Anniversary Live ‐ 初☆アリーナMM(マジみて)」も開催されます。あらためて今後の展望についてお聞きします。劇場版の終わり方がきれいだったので、活動がいつまで続くのかと不安なファンもいるかと思いますが……。
ぴあアリーナのライブのあとに急に解散発表をする予定はないです(笑)。いや、ないって言い切っちゃうのは良くないか。なにがあるかわからないから、絶対に見に来たほうがいいよ? と言っておきます(笑)。
ただ、去年の暮れに劇場版アニメ『i☆Ris the Movie – Full Energy!! -』のアフレコをして、私は次の10年で何をしたいんだろう……ってずっと考えてます。今の仕事は楽しいけど、永遠に続くわけではないから。でも、みんなが続けたいなら、私はいつまでも続けますけど? という気持ちではいますね。