仕事

半グレの恐喝、薬物や賄賂。裏社会の取材で学んだ“生きるヒント”とは

「誰かの生きる希望になれるかも」

草下シンヤ草下さんは現在、46歳。 「自分は残りの人生であと何ができるのかなって、考えるようになりました」 その欲望は現在、“創作”に向いているという。連載漫画関係の仕事は9本になりそうで、忙しくなりそうだと話す。これには、ある事件もモチベーションになっているのだとか……。 「先日、女子高生2人組が飛び降り自殺をしたんです。片方の子は僕が編集として携わっているSNS漫画『地元最高!』のファンで、そのコラボグッズが欲しいとSNSに投稿していました。その投稿から数日後に亡くなったんです。若い読者が亡くなってしまうことにショックを受けましたね。 そのとき、思ったんです。例えば、漫画がクライマックスの展開だったり、アニメ化や映画化が決まっていて公開前だったりしたら、『もう1週間だけ生きてみようかな』と、生きる希望を与えることができたんじゃないかと」 草下さんは「もちろん、これは僕の勝手な想像ですし、亡くなった方の本当の気持ちは分かりませんが……」と前置きした上でこう続けた。 「実は僕も、小学4年生の“あの日”から高校生くらいまで、ずっと空虚な生活を送っていました。『何でも見てやろう』と学校の構造を見ても、やっぱり実感が伴わなかった。僕が生きてこれたのは、本などの創作物を読んだり、書いたりしてきたからです。 自分の中に生きる希望やエネルギーが持てない人も、世の中にはいると思います。でも、『好きな作品の続きを見たい』といったように、自分の外に生きる希望を持てることってありますよね。 だから、『ひょっとしたら誰かの生きる希望になれるかも』というのをモチベーションに、自分の欲望が向いている創作を続けるつもりです」 ——生きるヒントだけでなく、生きる希望も与えてくれる。そんな草下さんの今後の活躍に目が離せない。 <取材・文/綾部まと、編集・撮影/藤井厚年>
ライター、作家。主に金融や恋愛について執筆。メガバンク法人営業・経済メディアで働いた経験から、金融女子の観点で記事を寄稿。趣味はサウナ。X(旧Twitter):@yel_ranunculus、note:@happymother
1
2
3
ヒットを生む技術 小規模出版社の編集者が“大当たり”を連発できる理由 ヒットを生む技術 小規模出版社の編集者が“大当たり”を連発できる理由

本書は、小規模出版社でありながら尖った企画の「ヤバい本」でベストセラーを連発する異色の編集者/作家・草下シンヤ氏の「ヒットを生む技術」を網羅したビジネス書である。企画の立て方から、編集の方法、広告・販売のノウハウ、SNS戦略など、「本が売れない時代」の出版業界で必要なことが詳細かつ具体的に記されている。

おすすめ記事
ハッシュタグ