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ラブホ清掃員が明かす“神客”の意外な正体。部屋を使用した形跡が一切ない理由は…――仰天ニュース傑作選

高齢者カップルは「顔も隠さないし、堂々としている」

光の扉とシニア夫婦の後ろ姿 土日や夜間は若者が多いラブホだが、平日の昼間は高齢者のカップルも少なくないという。 「高齢者というか、年齢が高めのカップルが多数いるんです。実際にはカップルかどうかわかりませんけれど……。平日に高齢者のカップルがいなかったら、土日や夜間に満室になるラブホでも経営難になるでしょうね」  また、高齢者のカップルには、若者にはない“すごい一面”があると、前田さんは打ち明ける。 「高齢者はタッチパネルが苦手なので、スタッフが必ず呼ばれるのですが、対面式のフロントでも、誰かと乗り合わせたエレベーター内でも、顔を伏せたり恥ずかしがったりすることがないんですよね」  若いカップルのような恥じらいを持っておらず、むしろ堂々としているそうだ。

「“衛生サック”が足りないから持ってきて」

 高齢者のカップルはポイントカードも持っており、“〇時までに入ればワンドリンクにモーニングが付く”などのプランにも妙に詳しいという。そして、何よりもフロントへの連絡が多い。 「あ、ごめんね。“衛生サック”が足りなくなったから追加で……」 「衛生サック……?」  受話器を持ったまま固まる前田さんに、ベテランの先輩が横から口を出す。 「避妊具のことよ! まったく部屋に3個も置いてあるのに……。持っていってあげて!」  現在、医療福祉関係の仕事をしている前田さん。そんな学生時代のバイトのおかげか、高齢者の性に関して免疫ができたという。 「施設の高齢者さんを車に乗せてラブホ街を通るときは、『この派手な建物は何をする場所なの?』と聞かれることもありますけど、落ち着いた対応ができますね」  前田さんは、稀に高齢者から“連れ込みホテル”などというフレーズが飛び出すと、ラブホでバイトしていた頃が懐かしくなると目を細めるのだった。 <取材・文/資産もとお>
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