スポーツ

「タバコの煙が充満するバス」「選手の住所が載っていた選手名鑑」…今では考えられない昭和プロ野球の“常識”

ベンチ裏の通路で着替えなければならず…

――球場での待遇で、今では考えられないことはありますか? 湯上谷:着替えですね。藤井寺球場や日生球場だと、着替えはベンチ裏の通路にパイプ椅子が並んでいてそこで着替えていました。隣の選手と肘もぶつかるような狭いスペースで頑張って着替えていましたね。 ――学生の部活みたいですね(笑)。 湯上谷:通路なので報道陣とか球場関係者や、裏方のバイトさんも横をウロウロするんですよ。シートノックの練習の後は汗と土で泥まみれになるので、パンツも全部着替える必要があります。でも、そんな状況だったので、大事なところを隠しながら着替えるのがみんな上手くなりました(笑)。

客席でやりたい放題の客たち

――お客さんも今とは雰囲気は違いましたか? 湯上谷:あの頃のパ・リーグはスカスカ過ぎてスタンドでも周囲に誰もいないから、男女がイチャついている場面とか、テレビでも放送されていましたよね。 ――見てました(笑)。他に変なことをしているお客さんを見たことはありますか? 湯上谷:カセットコンロと食材を持ち込んで、鍋をやってるグループがいたり。びっくりしたのは、川崎球場の客席で野球やってるお客さんがいた時ですね(笑)。 ――プロの選手が目の前で野球やっているのに、自分たちで野球やってるんですか? 湯上谷:そうそう(笑)。あまりにもお客さんがいないから、外野席の広いスペースでこっちを見ないで野球やってましたよ。
次のページ
選手の住所が載っていた「昔の選手名鑑」
1
2
3
4
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。

記事一覧へ
おすすめ記事
ハッシュタグ