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嘉門タツオ(65)「粗品よりもひどかった」30代を振り返る。八代亜紀、桑田佳祐、中島みゆき…大御所の名曲を“笑いのネタ”に

替え唄も時代に合わせてやればいい

時代に合わせてやる――時代的に今、替え唄やパロディーがやりづらいみたいな空気は感じますか? 嘉門:そこは規制があればあるところでやればいいだけの話であって、特に感じませんけどね。20代の頃に『恋人は新興宗教の教祖』っていう曲をつくったんですよ。隣のお姉さんのところに8時になったら迎えが来る、その人が新興宗教の教祖だった、っていう内容の(笑)。 ――今聴いてもなかなか攻めていますね。 嘉門:かれこれ30年くらい寝かしてましたが、国会で統一教会のことが問題になったじゃないですか。ちょっとアレンジしたら現代でもいけるんじゃないかと。CD化は無理でもライブなら。20代の頃より自分のスキルは上がっていると思いますし。

65歳。やりたいことはいっぱいある

――改めてここまでの人生を振り返って、自分でも波瀾万丈だったな、みたいな感はありますか。 嘉門:いやぁ、特に違和感もなく、全部通るべき道だったなと思ってます。小学校の作文で「将来はサラリーマンにはなりたくない」って書いてるんですよ。「決まった時間に会社に行って、土日は家族団らんで……そんな暮らしなんて反吐が出る!」って。粗品さんみたいなトーンで(笑)。 よく田町のサウナに行くんですけど、朝の通勤時間、会社に向かう人たちの流れに逆らってサウナに行くのは気持ちいいですよね。もちろん、そういう人たちによって社会が支えられているんですけど、僕にはできなかった。 ――現在65歳。新しいことをすることに不安や恐れはありませんか? 嘉門:それはほぼないです。これから売り出すわけでもないですし、やりたいことはいっぱいありますから。今はまだ記憶がレアですけど、亡き妻と過ごした14年間のエピソードがたくさんあるのでいつか曲にしたいとは思ってます。 こないだ高校の同窓会があったんですけど、60代ともなると人生の結論がほぼでてるじゃないですか。僕はまだ変わりたいと思ってますが、みんなそれなりに歳を取ってるもんだから、クラスメイト10人のLINEをつなげるのに1時間かかりましたよ(笑)。そんな面白いやりとりも唄えるじゃないですか。
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株式会社ラーニャ代表取締役。ドラマや映画の執筆を行うライター。Twitter⇒@Yuichitter

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