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カーディーラー担当者を困らせる迷惑客の失言に決意!心機一転で営業に専念した結果

顧客の機嫌を損ねるのはNG

 けれどしばらく経った頃、Fさんから真夜中に「息子が狭い道に入って立ち往生してしまった」とSOSの着信が。免許を取り立ての息子を案じてすぐに駆けつけ、靴を脱いでトランク部分から車へ乗り込み、狭い道を脱出した安西さん。 「本来はJAF案件だったこの呼び出しに応じてしまったあたりから関係が崩れていった感じです。旅行先でタイヤを交換したいからグループ店舗に予約を入れてほしいとか、新車について知りたいから出張先までパンフレットを持って説明しに来てほしいとか…」  そのうち、BBQをするのに人数がたりないという理由で参加をお願いされ、気がついたときには参加者の肉や野菜をひたすら焼き続けていたこともあった。いつしかFさんは、迷惑客へと変貌。「このままではいけない」とは思いつつ、日にちだけが経過していった。 「新車は、高級品です。ましてや高級車は1台の売上に対するインセンティブも大きいので、顧客の機嫌を損ねるのはNG。営業担当者にもよりますが、誕生日には花束、年末にはカレンダーと粗品をプレゼントして顧客の心をくすぐることもあるほどです

顧客のBBQで準備を手伝うことに

カーディーラー

※画像はイメージです

 Fさん一家は売り上げに大きく貢献していたこともあり、頭が上がらなかったのだ。悩みが募るなか、安西さんはまた、自宅前で開催されるBBQに呼ばれてしまう。そして今度は、到着するなり準備から手伝ってほしいと言われてしまったのだ。 「でも、私以外に準備する人は誰もいないのです。『何回も参加してくれてるし、勝手はわかるよね?』『仕事の電話が終わったら俺も手伝うから、ゴメンね』とFさんから言われ、ガレージにあるBBQセットを取り出すところから1人でやりました」  ある程度の準備を終えたとき、トングがないことに気づいた安西さん。トングの場所を聞くためFさん宅を尋ねようとしたところ、不用心にも玄関先で「あの営業にやらせりゃいいんだよ」と、スマホ越しに誰かと話している姿を発見してしまう。
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無理なことは毅然とした態度で断る
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ワクワクを求めて全国徘徊中。幽霊と宇宙人の存在に怯えながらも、都市伝説には興味津々。さまざまな分野を取材したいと考え、常にネタを探し続けるフリーライター。Xアカウント:@natukawanatumi5

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