エンタメ

元ギャルサー総代表の“その後”。突然の“子宮頸がん”宣告をギャルマインドで乗り越えるまで

突然のがん宣告。医師には「きみは治らないかもしれない」

山城奈々「がんと宣告されたんです。子宮を全摘してくださいって言われて……」  婦人科系の検査で異常が見つかり手術したところ、なんと子宮頸がんが発覚したという。  当時まだ33歳。医師の申し訳なさそうな様子から嫌な予感はしたが、まさか、がんとは。思わず笑ってしまったという。振り返ってみれば、今まで激しい人生だった、普通を求めても普通にはなれなかった……そんなことが頭をよぎる。  その日は大好きなトランスを聴いて帰った。 「あー……みたいな。すぐには言葉がでませんでした。でも悲しいよりも乗り越えなきゃっていう気持ちの方が大きかったですね。で、その時に『そうだ私ギャルだったわ!』って。あのときの自分でいれば大丈夫、絶対治してみせる、と思いました」  それからの行動力は凄まじかった。すぐにSNSでがんを患う人たちと繋がりをもち、情報を得た。治験があると知れば、すぐに遠方の病院まで行って受けた。  しかしそれでも結果は同じだった。 「がん友だちに教えてもらった治験があって、石川県の病院まで月に1回受けに行ったんです。そこでも『きみは治らないかもしれないから子宮全摘になるだろう』って言われましたね。でも人間の血液って3ヶ月に1回入れ替わるから薬が効くだろうなと思ったんです。それでエビデンスを徹底的に調べて全部やりました」 山城奈々 そして現在、なんと2年以上寛解を保っているという。 「3、4回の治験で治ったんです。先生からは『君はもってるね』って言われました。心の持ちようが大事なんですよね」  さらにこう続けた。 「これはギャルじゃなかったら絶対乗り越えられなかった。あのとき声をかけてくれた親友のおかげでギャルになれたので、本当に感謝しかないです」  病気を乗り越えてからは、時間がどれだけ有限か思い知らされたという。死に刻々と近づいているのだからこれからは好きなことだけに専念しよう。そうした思いが様々な活動にチャレンジしようとする原動力になっているようだ。現在はDJとしても活動を始めた。  半生を振り返った山城さんは、最後にこれからの人生についてこう語る。 「無駄な時間を過ごすのはもったいない。色々先回りしてやって、やりたいことを詰め込んでます。ワインも好きだし、音楽も好きだし、好きな人たちと好きなように過ごしながら、頑張り続けられる環境があればそれでいいなと思います。健康第一なので」 <取材・文/奈都樹、撮影/長谷英史>
1994年生まれ。リアルサウンド編集部に所属後、現在はフリーライターに。『リアルサウンド』『日刊サイゾー』などで執筆。またnoteでは、クォーターライフクライシスの渦中にいる20代の声を集めたインタビューサイト『小さな生活の声』を運営している。
1
2
3
おすすめ記事
ハッシュタグ