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ソニーがKADOKAWAの筆頭株主として狙う「IP強化」とは? 投資家が注目すべき3つのポイント

「知的財産(IP)を制する者が市場を制す」時代へ

 世界的に知的財産(IP)の価値は上昇の一途をたどっています。ディズニーがマーベルやルーカスフィルムを傘下に収め、ユニバーサルやワーナーも有力IPを囲い込んでいます。NetflixやAmazon Prime Videoなどの配信大手は自社オリジナルIPの量産に注力することで、グローバルな視聴者に絶えずアピールし続けているのです。  その中でソニーはゲームや音楽分野では確固たる地位を築いてきたものの、原作IPの発掘や育成においてはさらなる強化余地がありました。KADOKAWAは国内有数のIP源泉として、次々と新たなコンテンツを生み出しています。ソニーとKADOKAWAが組み合わされば、新たな和製IPがグローバル市場で花開く可能性が高まります。  もちろん、買収成立までには価格交渉や規制当局の承認、ドワンゴや教育事業との関係整理など、解決すべき課題が多く残されています。また、買収報道後のKADOKAWAの株価急騰は期待先行の面もあり、今後の続報や正式発表によって相場が揺れ動く可能性は十分あります。しかし、長期的な観点に立てば、ソニーがIP強化を通じて世界市場での存在感を増し、日本のコンテンツ産業がさらなる成長段階へ移行する契機となるかもしれません。

投資家が注目すべき視点

投資

※画像はイメージです

 仮に買収が決まった場合の投資家の注目すべき視点としては「KADOKAWAの買収価格」「非中核事業がどのように整理されるのか」「買収完了後、ソニーがどの程度具体的なIP強化戦略や収益拡大策を開示するのか」といった点に注目すべきです。  グローバル展開戦略、IP開発計画、KADOKAWA傘下企業や事業部の再編方針などが明確になればなるほど、市場は一段と敏感に反応するでしょう。  エンタメ市場は資本とIP力が勝敗を決する時代です。米国勢に対抗するには、国内メディア同士の連携や再編は避けて通れない選択肢となっていると考えます。その中で、ソニーとKADOKAWAの組み合わせは、強力な「解」の一例となり得るのではと期待させるものであるからこそ、直近の株価上昇の大きな要因となったと考えられます。
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世界的なエンタメ再編の流れに
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金融ライター、個人投資家。資産運用とアーティスト作品の収集がライフワーク。どちらも長期投資を前提に、成長していく過程を眺めるのがモットー。 米国株投資がメインなので、主に米国経済や米国企業の最新情報のお届けを心掛けています。Webメディアを中心に米国株にまつわる記事の執筆多数 X(旧ツイッター):@usjp_economist

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