ソニー好きが「迷走するソニー製品」に厳しいツッコミ
「ソニーらしい尖った製品」は、決して過去のものではない。だが“なんとなくコレジャナイ感”を覚えるのも事実で……ソニーを応援すればこそ、デジタル好きが厳しくツッコむ! 前回に続き、その違和感の正体に迫る――
ソニー製品に対して少なからぬ愛着を抱くSPA!コメンテーターの面々(&担当編集)。「どこかユーザー目線とは違った方角を向いてしまっている」というのが、最近のソニー製品に対する、識者たちの一致した見解だ。以下、その“迷走”ぶりを見ていこう。
’13年に発売されたデジタルカメラ〈サイバーショットDSC-QX10〉が登場したときのインパクトは相当なものだった。パッと見、一眼カメラのレンズだが、実はこれ自体で独立した一つのカメラ。スマホと接続することで、カメラのボディをスマホに担わせることができる。その革新的なコンセプトに「久しぶりにワクワクするような製品がソニーから出てきた」と小躍りした人も多かった、はずなのだが……。
「無線接続なので仕方がないのですが、とにかく操作が遅いんです。さらに、発表会の会場など無線が飛び交っている環境では、思うように動かないことも……。それでも面白い製品なので欲しくはなるのですが、約2万円(当時)という価格に尻込みする人が多かったですね」(モバイル評論家の法林岳之氏)
何より残念だったのは「このアイテムで何ができるのか」という点を、ソニーが積極的に打ち出そうとしなかったこと――そう話すのはライターの柳谷智宣氏。
「スマホにレンズをくっつけて撮るのなら、スマホのカメラでいいじゃん――という素朴な疑問に答えきれていないし、それ以上の活用法も提案できていない。実は昨年、オリンパスが似たようなレンズスタイルカメラ〈AIR A01〉を発売したのですが、後発なのにもかかわらず、こちらのほうが製品としての世界観を見せることに成功していますね」(柳谷氏。以下同)
〈AIR A01〉はオープンプラットフォーム形式を採用しており、連携するアプリやアクセサリーを自由に開発できるのが特徴だ。
「活用法をユーザーに“丸投げ”するのではなく、ユーザーを“巻き込んで”一緒につくり上げていく――という姿勢に、違いが表れているんだと思います」
結局、製品が幅広いユーザーの支持を獲得できるかどうかは“世界観”がすべて。
かつてのウォークマン、あるいはアップルのiPodやiPhoneは、“その製品のある生活”をユーザーに想像させることでブレイクしてきた。ソニーから、いま再び“世界観”を感じさせてくれる製品が登場することを、一ユーザーとして願ってやまない。
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◎液晶テレビBRAVIA「X9400C」ほか(Android TV搭載モデル)
「最新のBRAVIAではOSにAndroid TVを搭載していますが、これの評判がすこぶる悪い。OS側の不具合でアプリ開発に支障が生じているとの証言もチラホラ。昔のソニーなら、このような他社技術に依存するモノ作りはしなかったのでは。AndroidTVだからこそ、といった世界が見えていないのが非常に残念」(ライター・コヤマタカヒロ氏)
◎アクティブスピーカー「SRS-LSR100」
「テレビの音声を無線で飛ばし、手元で聞けるスピーカー。ソニーらしからぬ落ち着いた……というか無難なデザインで、目を疑いました。高齢者や補聴器を利用している人向けの製品のようですが、スタイリッシュなデザインで若いユーザーにも活用シーンを提案できれば、もっと幅が広がりそうな製品だという気がします」(柳谷氏)
◎タブレット「XPERIA Z3 Tablet Compact」
「極薄で300gを切る8インチタブレット。どこに持っていってもジャマにならないコンパクトさを愛しているだけに、Wi-Fiモデル一択だったのが残念。このサイズ感はSIMを挿して外でガシガシ使いまわしてこそ生きるはず。LTE版を出すのはテスト面でもサポート面でも大変だろうが、そこでの思い切りが欲しかった」(編集F)
取材・文/SPA!編集部
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