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“勘違いおじさん”を脱する方法は?「女性が好意的に見えるのは、気を使ってくれているから」

 老化は否応なく訪れる。老いゆく自分といかに折り合いをつけるか苦悩している人も多いはずだ。自身も58歳と初老に差しかかるコラムニストの石原壮一郎氏は老いとの付き合い方を語る。

心と体の老いにどう向き合って楽しく生きるか?

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石原壮一郎氏

「老いていく過程では『尊敬されたい欲』と『モテたい欲』を枯らせていくことが重要。人生経験があるから、後輩や世の中に助言ができると勘違いする人が多いですが、退職すれば部下もいないし、誰も話を聞いてくれませんよ」  モテたい下心で若い女性と接することも悲劇を生む原因だ。 「女性が好意的に接しているように見えても、それは気を使ってくれているからです。いわば精神的介護を受けている状態。やはり勘違いしたおじさんと女性の間にギャップが生じ、セクハラなどに発展します。50代からは、尊敬されることも、モテることもないと自覚し、気を使ってくれる若者に感謝の念を忘れてはいけません。それができない同世代が多いなかで、一足先に二大欲求を枯らせて周りに差をつけましょう」

過去の思い出こそ最高の財産

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※画像はイメージです

 では、老いゆく者は何を楽しみに生きればいいのだろうか。 「世の中の新しいトレンドを追うより、老いの中では人生を反芻することに楽しみがあります。過去の交友関係を振り返ったり、ゆかりの土地を散歩してみる。  初めての者には平凡な景色でも、見える世界が違います。『友人とこの駅で喧嘩したな』『昔、付き合ってた女性が住んでいた』などと考えながら歩く楽しさは格別。過去の思い出こそおじさんの最大の財産です」  石原氏はこれを「思い出の有効活用」と名づけるが、夫婦間にも応用が可能だ。 「かつての旅行先を一緒に再訪する、同棲して初めて作った料理をまた作ってみるなど、新婚時代を思い出すような行動を取ってみましょう。気持ちも新たに家人と暮らせると思います」  枯れつつも生きがいは失わず、ご縁を大切に、暮らしていこう。 【コラムニスト 石原壮一郎氏】 月刊誌編集者を経て『大人養成講座』(扶桑社刊)でデビュー。以後、『大人力検定』(文藝春秋)など大人の振る舞いに関する著書多数 <取材・文/沼澤典史(清談社)>
清談社 ライター/編集 編集担当作→稲田豊史さん『こわされた夫婦』、生駒明さん『フーゾクの現代史』、諸富祥彦さん、島田友和さん、青木美帆さん『1on1コミュニケーション入門』、しみけんさん『モテる男39の法則』。X(旧Twitter):@numazawa_n
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