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金利上昇で定期預金の人気が復活!人気FPが教えるお得な投資法「1年物を“つないで”金利のピーク圏を狙え」

金利のピーク圏を狙う「定期預金戦略」

では、これからの金利上昇時代に、どのように定期預金を使っていくのがいいか。そのポイントは2つあります。 1つ目は「期間が短い商品を“つなぎ”で使う」というものです。具体的には数か月~1年物の定期預金です。そして2つ目は、「金利のピーク圏でなるべく高金利の商品を長期で固定する」というものです。 順番に説明しましょう。まず1つ目ですが、そもそも“金利の波”には「金利上昇局面」「ピーク圏」「下落局面」「ボトム圏」という4つの局面があります。 景気がよくて加熱しているときに、中央銀行は金利を上げて景気を冷まそうとします。すると、景気の加熱が収まり金利はピーク圏で「横ばい」になり、その後景気に陰りが見え始めると「下がって」いき、景気が悪化すると金利はほどなくしてボトム圏に入ります。このようなサイクルを繰り返していくものなのです。 そのサイクルを意識しつつ、選ぶ定期預金を変えていきます。まず上昇局面ではあまり長期の商品を選ぶと「契約期間中にさらに金利が上がって、もっとお得な商品が出てきてしまった」という状況が起こりえます。なので、上がるタイミングでは短い商品を数か月~1年ごとに変えていったほうがいいのです。

「高金利の恩恵を目いっぱい受ける」バブル期の知恵

そして、いざ金利のピーク圏が近いと感じたら……。今度は、なるべく「長期間の高金利商品」を選んでください。すると、その後金利が下がり始めてもずっと高金利の恩恵を得続けられます。まさに「果報は寝て待て」状態で、安全・確実にお金を増やすことができます。 実はこの方法で得をした人がバブル時代にはたくさんいました。かつての高金利時代のピークだった‘90年頃に10年物定期預金を契約した場合、その契約期間が切れるのは’00年頃です。つまり、彼らはその間ずっと高金利の恩恵を享受できたわけです。「何もしなくても利息収入があるのだから、あえて株なんて買う必要もない」と考えるのが普通でしょう。 今後の日本経済がバブル期ほどの高金利になるかと言えば疑問ですが、この「高金利の恩恵を受けるセオリー」は使えるはずです。金利が上がっていく時代において覚えておくべき、バブル期の知恵ですね。 <構成/上野智(まてい社)>
ファイナンシャルリサーチ代表。大学卒業後、クレジット会社を経て独立系FP会社に入社。その後、1996年に独立し、現在の有限会社ファイナンシャルリサーチは2社目の起業。FP業界歴35年(2024年10月現在)を誇り、そのキャリアを通じて日本経済の浮沈を見守ってきた。メディア出演やセミナーを通じて、資産運用や住宅ローン、生命保険、税金、年金など幅広く「お金の知識」を発信している
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