山崎製パン「薄皮シリーズ」5⇒4個に変えて売上1割アップ。“時代に合わせた”商品開発の裏側「1日100種類パンを食べたことも」
薄皮シリーズの新たな挑戦
改定からちょうど1年後の2024年。1年間の売り上げから薄皮シリーズへの伸びしろを感じた早川さんは、さらに新たな企画を構想していた。
「あれから1年が経ち、さらに売り上げを伸ばすための新たな施策を考えていました。ただレアチーズクリームや、焼き芋などといった新しい味を開発することは面白くない。
なぜなら、これまでの20年で味の追加と入れ替えは十分やってきたからです。そこで、コロナ禍以降に売り上げが伸びていた“惣菜パン”に注目しました」
惣菜パンを作ることは薄皮シリーズにとって新たな挑戦。だが、きっとこれまで薄皮パンを選んでこなかったような“新しいお客様”を、キャッチできるはずだと考えた。
最初に出来上がったのは「薄皮ハンバーグ&ケチャップパン」だった。惣菜シリーズのテストマーケティングとして開発し、子どもをターゲットに夏休みの期間を狙って販売。結果的にその狙いは的中し、大きな反響を得た。そこで薄皮シリーズでの惣菜需要を確信し、本格的な開発に踏み切った。
「薄皮たまごぱん」が10カ月で1600万個のヒット
では、なぜ「たまご味」を選んだのだろうか。早川さんは「最初から売れる確信があった」と話す。
「理由はシンプルで、たまご味はヤマザキの人気商品『ランチパック』の中で、特に人気が高い味だから。ただ製造は思ったよりも難しかったです。
オーブンで焼くと中の水分が飛んでしまい、中身がスカスカになってしまう。薄皮パンの特徴である“食べ応え”を実現するために、何度も試作を重ねました。3ヶ月間の期間を経て、ようやく薄皮シリーズの名に恥じない食べ応えのあるパンが完成しました」
2024年1月1日に「薄皮たまごぱん」を販売開始すると、10ヶ月で1600万個の売り上げを達成。予想を上回る大きな反響があった。
「薄皮たまごぱん」は発売後から売り上げが変わらず、薄皮シリーズの人気商品の一つとなっている。
広島生まれ、東京在住のライター。早稲田大学文化構想学部卒。趣味で不定期で活動するぜんざい屋を営んでいる。関心領域はビジネスと食、特に甘いものには目がない。X(旧Twitter):@fujikawaHaruka
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