更新日:2025年01月17日 19:24
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山崎製パン「薄皮シリーズ」5⇒4個に変えて売上1割アップ。“時代に合わせた”商品開発の裏側「1日100種類パンを食べたことも」

コロナ禍の節約志向で“惣菜パン”ブームに

コロナ禍の節約志向で“惣菜パン”ブームに「薄皮たまごぱん」の結果からも分かるように、現在パン市場では惣菜パンの需要が高まっている。 実際に同社においても「薄皮シリーズ」だけではなく、「ランチパック」「まるごとソーセージ」「大きなハム&たまご」など他の総菜パンにおいても、コロナ禍以降の売り上げが大きく伸びているそうだ。その背景にある要因を早川さんに聞いてみた。 「今外食するとなると、ワンコインでは食べられないことが多いですよね。対してヤマザキの『まるごとソーセージ』であれば、100円ほどで買えて、中身の充実度から一定お腹いっぱいになる。 つまりその1個のパンで食事が完結してしまうんです。そんな”食べ応え”があり、かつ“割安感”がある惣菜パンは需要が高まっていると感じます。 世の中では原材料の価格の高騰から、多くの商品が価格改定をしています。それもあって今の社会は間違いなく『節約志向』です。 でも、その節約っていうのは安ければいいとは違くて。多少値段を出しても“食べ応え”のあるものは売れている。“コスパが良い”という感覚に近いのではないかと思っています」

“コスパの良さ”を維持するための企業努力

ただし、“コスパが良い”パンを作るためには、同時に原材料の高騰にも真摯に向き合い、企業側の製品の品質管理とリソース管理の徹底は必要不可欠だ。 「種数が多くなりすぎると手間がかかってしまうので、売れないものは数を減らす。できる限り価格維持をしながらも、品質は絶対に落とさないように努力する。 また同時に、今は満足感を維持する必要があります。いかに商品価値を担保して、お客様の期待に応えられるような商品を作れるかということは常に考えているところですね」
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2025年の新作は「ツナ」。誕生の裏側と今後の期待
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広島生まれ、東京在住のライター。早稲田大学文化構想学部卒。趣味で不定期で活動するぜんざい屋を営んでいる。関心領域はビジネスと食、特に甘いものには目がない。X(旧Twitter):@fujikawaHaruka

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