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グーグルマップの“低評価”に悩むスーパー。犯人と思しき50代男性に直接「口コミをやめてください」と懇願した結果…

毎日来店していた50代男性が犯人かも?

 ひとりの人間が複数のアカウントを作り、違う人間を装って低評価の投稿していた。しかしいったい何のために? 「確信はないんです。でも、思い当たる人がいまして……」  塚本さんは振り絞るように言葉を続けた。 「ちょうどその頃、50代ぐらいの男性がよく来店されていたんです。ほとんど毎日のように来てくださるんですが、あるときから結構な頻度でクレームをいただきまして……」  クレーム内容は様々だ。店員が挨拶をしない。お釣りを渡すときに無愛想。惣菜が安くなる時間が遅い。  それはクレームというより「こうしたほうがいい」というアドバイスのようなものだった。塚本さんはその男性客の意見を真摯に受け止め、改善できる点は改善した。だがその結果、男性客の“アドバイス”の頻度が徐々に増えていき、いつしか“クレーム”に変わってしまった。 「よかれと思ってやったことが逆効果だったというか。そのお客様は上司のような威圧感があったんですよね。何を言われるかわからない緊張感もあり、言われた通りに動いてしまいました」

お詫びの品を要求するようになるも…

 その男性客は来店すると必ず塚本さんを呼び出すようになり、“アドバイス”を言い渡して帰っていった。塚本さんがバックヤードにいてもお構いなしで、学生アルバイトが裏まで呼びにくることも。  要求はエスカレートし、「こうしたほうがいい」は、いつしか「こうしなさい」になった。応じないと本部にクレームの電話をするとまで言われた。深々と頭を下げると、こう言われた。 「お詫びの品とかないの?」 「毎回ではないですが、要求されることは多かったです。最初のうちは私の勝手な判断で、こっそり商品の割引をしたりしていたんです。『今日はレジ袋でいいから』と言って5枚ほど持って帰られることもありました。ですが、それが何度も何度も続くとそういうわけにもいかなくなって……」  クレームに対するお詫びの品をやめると、それ以降その男性客は何も言ってこなくなった。 「たまたまかもしれませんが、口コミが増え始めた時期と重なるんです。もしかしたらその男性が書いたのかもしれません。でも確信はありませんし、当然、証拠もありません」
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面と向かって「口コミをやめてください」と…
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