「3000万円の退職金」を投資で溶かした50代男性の後悔「数百万円の借金を肉体労働で返済する日々です」
早期退職者を募集する企業も多くなり、人生の岐路に立たされているサラリーマンは少なくないはず。実際に利用したことがあるのが、神奈川県に住む神田拓夢さん(仮名・50代)だ。神田さんは、都内の一流大学を卒業後に大手食品メーカーへ就職。長く営業畑で働いていたが、早期退職制度に応募したのが3年前のこと。
「働いていたのは、誰もが知るような超がつく有名企業でした。福利厚生もしっかりしているし、給料もそれなりに良くて。はっきり言えば、これまでの20年近くは勝ち組の人生を歩んできました。結婚をしていないので自由に使えるお金も多く、毎年の海外旅行に加え、女性関係もお金があれば遊び放題でしたし、本当に楽しい日々でした」
誰もが羨む悠々自適な生活を送ってきた神田さんだが、会社の業績不振とともに自身の歯車も狂い始めたという。
「業績不振で社内が殺伐とし、次第にノルマも厳しくなった。周りにいた優秀な社員はどんどん他社に転職しはじめて、自分もこのまま会社にいて良いのか不安になっていました。大幅に退職金を上乗せする早期退職の案内が出たのは、そんなとき。計算すると、割増のお金込みで3000万円ほどに。これに目がくらんで、すぐに応募しました」
長年働いた会社に別れを告げ、しっかりと退職金もゲット。余裕がある状態で再就職するのかと思いきや、次の仕事は意外なものだった。
「退職金を元手に投資家デビューすることにしました。これまでも株の取引はしていましたし、地道な勉強も重ねていて。それに、自分と同年代で億単位の資産を築いている“億り人”がニュースで取り上げられているのを見て、背中を押されたんです」
当初はビギナーズラックもあったのか、順調に資産を増やせたそうだ。
「資金が3000万円あったので、無難に現物取引でトレードを行っていました。3000万円を目一杯使って、だいたい1週間くらいの取引が中心でしたね。具体的にいうと、1年目は500万円ほどの利益が出せました。以前の会社の給料には及びませんが、自分の実力だけでお金を稼いだわけで、これまでにない充実感があったのを覚えています」
「3000万円の退職金」に目がくらみ…
1年目は500万円ほどの利益が出せた
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1979年生まれ。雑誌編集者→IT企業でニュースサイトの立ち上げ→民放テレビ局で番組制作と様々なエンタメ業界を渡り歩く。その後、フリーとなりエンタメ関連の記事執筆、映像編集など行っている
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