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早期退職し、夢だった“ラーメン屋店主”になるはずが…50代男性が「毎日悩む」ハメになった悲しい理由

人気店だった師匠の店が閉店してしまった

肉体的にも精神的にも追い込まれながらハードな修業を続けていた山本さん。みっちりと2年間修行を積んだ結果、師匠から「店を開いても大丈夫だろう」とお墨付きをもらえたそうだ。しかし、思いも寄らないトラブルが……。 「独立しようと思った矢先、新型コロナウイルスの猛威が。新規で店をやるどころではないと思い、アルバイトをして食いつないでいました。修行中の2年間は、まかないがあったので食費は浮いたものの、貯金は目減りしていて。衝撃的だったのは、師匠がお店を閉める選択を選んだことです。人気店だったのにお客さんはパッタリ来なくなり、ほかに活路を見出すような施策もできなかった。心労がたたって師匠は倒れてしまい、結果として店は潰れ……。どれだけおいしいラーメンを出していても店が潰れるのを見て、飲食業界の恐ろしさを目の当たりにしました」

1000円以上では流行るイメージが湧かない…

コロナが明けるまで、埼玉県にある実家に戻り、フリーター生活をしていた山本さん。ラーメン屋に短期のバイトで入り、ラーメン作りの腕を落とさない努力もしていたそうだ。だが、コロナが落ち着いたと思ったら、またも山本さんの前に大きな壁が立ち塞がったという。 「お店の物件を探していたのですが、今度は原材料が高騰してしまい……。師匠が使っていた業者さんにお願いするつもりだったのですが、自分が作ろうとするラーメンを逆算すると、1000円以上で提供しなくてはいけなくなる。新規開店の立場で、1000円以上のメニューばかり……というのは流行るイメージが湧きません。師匠に教えていただいたことを守りながら、なんとか安く出せるメニュー開発をやり直さないといけなくなりました。結局、いくつか候補にあがっていた物件は借りることなく、現在もバイト生活を続けながら開店の準備を進めている状況が続いています」
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会社を辞めないほうが良かったかも?
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1979年生まれ。雑誌編集者→IT企業でニュースサイトの立ち上げ→民放テレビ局で番組制作と様々なエンタメ業界を渡り歩く。その後、フリーとなりエンタメ関連の記事執筆、映像編集など行っている

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