西野七瀬、30代になって得た「過去の自分に助けられている」実感
30歳を迎えて、公私ともに飛躍の年になりそうな俳優・西野七瀬。そんな彼女が、現在公開中の映画『君の忘れ方』で新境地に挑んでいる。“死別による喪失と再生”を描いた本作で、主人公の昴が愛した亡き恋人・美紀を演じる。この“幻影”という演技には苦労も多かったという。乃木坂46を卒業してから約6年。「30代になって過去の自分に助けられている実感が増えてきた」と語る彼女の今に迫った。
――今作では幻影という初めての役どころでしたが、演じるうえでの難しさはありましたか?
西野七瀬(以下、西野):昴だけに見える幻なのでゆっくりした動作で、心情が見えないように瞬きを我慢して、視線がぶれないようにも意識しました。ただ作中で、美紀の音声だけが流れるシーンがあるんですが、それを収録した直後にずっとこらえていた涙が溢れてしまいました。
――監督も驚かれていました。
西野:車の中で録ったので映像はまったく関係ないんですけど、「もう美紀がこの世にはいないんだな」と悲しい気持ちになってしまって。あのシーンだけは美紀の思いがそこにあって、昴に寄り添っていたら素敵だなと思いました。
――また今作では、深い悲しみをどう乗り越えていくかという「グリーフケア」もテーマとして描かれています。西野さんは落ち込んだり、傷ついたりしたときにはどんな心のケアをしているのでしょうか。
西野:抱えきれなくなったら、周りの人に話して体の外に出すことも有効なのかなと思っています。滅多に相談はしないんですけど、「これは1人だと昇華できなそうだから誰かに聞いてほしい」というときはあるので、そういうときは話しますね。ただ、あまり暗くならないようには意識します。なるべく笑いながら話せるように。
――それはなぜ?
西野:私のネガティブを相手に移すのは申し訳ないので(笑)。暗い話題もなるべくポジティブに変換してから、相手に伝えるように心掛けています。
――そういうマインドになるきっかけが?
西野:もともと私がネガティブな性格だったので、グループで活動しているときに周りに気を遣わせてしまっているなと気づいたときがあって。そこから、マイナスな発言や空気感はやめようと。
――集団行動の中での切り替わったんですね。
西野:はい。気づけたのでよかったなと思います。

収録後、思わず流れてしまった涙
落ち込んだときは周りの人に話して、体の外に出す
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