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佐々木朗希が避けられない「165キロの代償」。大谷&ダルビッシュも受けた“メジャーならでは”の洗礼

フォークボールの肘への負担も少なくない

 また、“世界最高級”とも評される鋭く落ちるフォークも肘への負担は少なくないはず。佐々木は身体的にもまだ完成しきっていないことは明らかで、今後数年以内に滑りやすいメジャー公式球の洗礼を浴びる可能性は低くないだろう。  そこで新たなチームメートとなる大谷との比較論になるが、大谷は2度目のトミー・ジョン手術を乗り越え、今季序盤に二刀流としてカムバックを果たそうとしている。打者一本で臨んだ昨季は、投手としてリハビリ中の身だったにもかかわらず、指名打者(DH)として大活躍。史上初の「50-50」クラブを“創設”し、最終的には54本塁打&59盗塁までその数字を伸ばした。

剛腕投手だからこそ“避けられない道”

 大谷は最終的にチームをワールドシリーズ制覇に導き、オフには2年連続3度目のMVPに満票で輝くなどまさに歴史的なシーズンを送った。このような芸当は投手一本の佐々木には到底できず、もし長期間にわたって戦列を離れるようなことになれば、本人に焦る気持ちも芽生えるだろう。  一人の才能豊かな若者が大志を抱いて大舞台に挑戦する直前に水を差すような指摘かもしれないが、佐々木ほどの剛腕投手だからこそ、肩・肘への故障は避けては通れない道ともいえる。  ドジャースの起用法にも注目が集まるが、まずは佐々木自身がしっかり身体作りに努め、メジャー公式球に対応することが何よりも重要となる。 文/八木遊(やぎ・ゆう)
1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。現在は、MLBを中心とした野球記事、および競馬情報サイトにて競馬記事を執筆中。
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