お金

65万円が330万円に! デイトナから始まった高級時計バブル、投資のプロが語る“30年の軌跡”

2004年 雲上時計への注目度が上昇

「雲上時計」と呼ばれるブランドは、「パテック・フィリップ」、「オーデマ・ピゲ」、「ヴァシュロン・コンスタンタン」です。 2025年現在では、これらのブランドはとても人気ですが、実は2003年頃まで「手を出す」という人はあまりいなかったのです。 「雲上」と呼ばれるだけあって「雲の上すぎて自分には関係がない」と思われていたのかもしれません。 そのため、2002年頃までノーチラスは新品が90万円程度、ロイヤル・オークやオーヴァーシーズは50万円程度で売られていました。 2004年頃から、こういった雲上時計に対する注目度が上がりましたが、そのきっかけは「独立時計師ブーム」による本格志向の影響でした。 それまで、「雲の上すぎて関係がない」と思っていたユーザーも、フランク・ミュラーや独立時計師に注目することで「雲上時計に手を出しても良い」と思うようになったのでしょう。 その結果、この頃から雲上ブランドの時計は、現在ほどではないにせよ、2004年頃から徐々に注目度が高くなっていきました。

2005年 ウブロへの注目

2005年にウブロは「ビッグバン」を発表し、現在のラインナップ構成となりましたが、このことをきっかけに注目度が上昇。 「ロレックスより高値」ということや、腕時計ではあまり使われない「斬新な素材」が新鮮で、それまで人気だったブルガリやフランク・ミュラーといった時計を持っている人が「次に買う」といったポジションになったと思われます。
次のページ
2010年代~ 人気ブランドの固定化
1
2
3
4
5
6
1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう


記事一覧へ
おすすめ記事
【関連キーワードから記事を探す】