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65万円が330万円に! デイトナから始まった高級時計バブル、投資のプロが語る“30年の軌跡”

2020年 新型コロナによる下落とK18モデルの上昇

新型コロナによって時計相場は一時大きく下落しました。特に緊急事態宣言が発令されてから相場は一気に下がりましたが、解除されると時計相場は徐々に回復しました。 そして、興味深いことに2020年8月頃から、それまで「あまり動かない」という印象だったK18モデルが高くなる現象が起こりました。 金相場はリーマンショック後でも高い水準を維持していましたが、不思議とK18の腕時計は値下がりしていました。しかし、2020年夏頃まで「ステンレスは需要があるけど、K18を欲しがる人はあまりいない」という印象がありました。 こうした需要と、もともと高い価格(K18ゆえに定価の段階で高いため)のため、K18モデルはあまり派手な値動きをしなかったのです。 それが2020年8月以降、K18モデルの値動きが活発化し、2025年現在ではステンレスよりもK18のほうが値動きする(2023年に出たデイトナの例など)場合もあるぐらい、K18モデルへの注目度が高くなっています。

2022年 春の急上昇からの下落/オメガ、カルティエ相場の上昇

新型コロナが発生した初期の段階では下落した時計相場ですが、2021年頃からは反発。多くの時計が上昇するようになり、2022年春には過去最高値を大幅更新するモデルが多くありました。 しかし、同年4月頃からは下落傾向となり、その後は緩やかに下落。現在の相場は2021年水準よりは高値ですが、2022年春よりは安価なモデルが多いといえます。 従来からの人気モデルがそういった状況となっている一方で、それまで活発に値動きする印象がなかった「オメガ」や「カルティエ」が高くなる現象が発生。オメガのロングセラーモデルである「ムーンウォッチ(3570.50)」は、2017年頃まで20万円台という中古相場でしたが、2025年現在では50万円台に達しています。 また、カルティエのサントス ガルベ(W20055D6)は2021年頃まで長期にわたって25万円程度という相場が続いていましたが、現在では70万円台といった価格帯になっています。
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2025年 素材や文字盤色におけるトレンドの変化
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1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう


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