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【革命前夜のトリスタたち】猪子寿之×上杉隆

猪子寿之(チームラボ代表)×上杉隆(ハイパー・メディア・アクティビスト)

取材はチームラボのミーティングスペースにて行われたが、自身を「男女分け隔てなく誰にでも優しい」と分析する猪子の配慮で、近くのハンバーガーSHOP「ファイヤーハウス」のテイクアウトをゴチられる。猪子から執拗にモッツァレラマッシュルームバーガーを薦められるも、結局アボガドバーガーを頼んでしまった筆者だった(ごちそうさまでした!)/撮影◎山田耕司(本誌)

「すいません! 本当にすいません!!」

 約束の時間を大幅に過ぎて、猪子寿之は全力疾走でやってきた。短パンで、素足にスニーカー。昼寝をしていたという。

 上背180cmを優に超える“イケメン”がねぼけ眼で必死に詫びる様子は、傍らから見たらダメな大学の先輩後輩にでも映るかもしれない。そんな猪子が率いるウルトラテクノロジスト集団・チームラボは、ユニークなITソリューションをいくつも手掛けてきた。ネットの真の力を理解できず、多くの新聞社が自社のWebサイトの構築に躓いていた’06年、産経新聞のニュースサイト『iza』を設計。ニュースとブログが融合した読者参加型ポータルは全国紙トップの人気となったが、これもチームラボの発想、開発だ。猪子が情報化社会の到来を予期したのは、ネットがそれほど普及していない’96年。東京大学に入学したころに遡る。

「日本のように軍事力も資源もない国では、テクノロジーと文化が競争力の源泉になる。技術が産業を興し、文化が産業に付加価値を与える……そんなことを考えてたころ、インターネットに出会った。それまでメディアは常に権力側にあったけど、人類史上初めて、人が自由に情報を発信し、世界中から情報を手に入れられるようになった。情報化が進めば、デジタル領域が全産業の中心になっていくはず。ならば、この新しい領域で文化とテクノロジーにコミットしようと思ったんです」

「文化」はチームラボのキーワードにもなっている。これまでさまざまな作品を発表し、現在は国立台湾美術館で個展の真っ最中だ。

「手っ取り早く文化にコミットするならマンガだと思ったんですが、すでに鳥山明先生(代表作『ドラゴンボール』)のような“神”がいるし、僕じゃ彼の1兆分の1も貢献できない(苦笑)。じゃあアニメはというと、宮崎駿監督という“巨人”がいて、ゲームには『マリオ』の生みの親の宮本茂さんがいる……。こりゃムリだなって。ただ、デジタル領域ではテクノロジーとアートの境い目が曖昧になり、何がエンターテイメントになるかわからない。この領域で新しい表現を模索しようと、“アートみたいなもの”をやり始めたんです」

チームラボが生み出すアートには、水墨画や書など和のテイストとテクノロジーを融合させた作品が目立つ。日本文化へのこだわりを感じるが、単なる趣味嗜好ではないという。

※この続きは週刊SPA!6月19日発売号 上杉隆の「革命前夜のトリスタたち」VOL.007に掲載

週刊SPA!6/26号(6/19発売)

表紙の人/忽那汐里

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