世界が注目する禅僧が語る「禅で仕事もうまくいく」(後編)

有名経営者や名だたるビジネス作家の本が並ぶビジネス書コーナーで、異彩を放つ作家がいる。曹洞宗僧侶の枡野俊明氏だ。枡野氏は禅寺住職でありながら、世界的に活躍する庭園デザイナーであり、美大教授。禅の思想に裏打ちされた著作はすでに十数冊に及び、仕事術の本も人気が高い。「禅」とビジネス。一見関連がなさそうだが、禅を学んで果たして成功できるのか? 枡野氏に聞いてみた。

― ジョブズも実践! 「禅」【後編】 ―

◆政治家や一流経済人も坐禅で成果を挙げていた!

禅 現代のサラリーマンは、「心がささくれて疲れている」状態だと枡野氏は言う。チームプレーを重んじる古き良き会社のあり方が、アメリカ型の成果主義、個人主義に変わり、常に強い不安や悩みにさらされているからだ。そんなお疲れモードの我々が、今に集中して成果を挙げるなんて、至難のワザかも。

 禅寺住職でありながら、世界的に活躍する庭園デザイナーであり、美大教授、曹洞宗僧侶の枡野俊明氏は「自分の中に一点の曇りもない鏡のような、もう一人の自分がいると気づくことです。仏教では、『仏性』と言いますが、今風に言えば『ピュアな自分』と言い換えてもいいでしょう。そんな自分がいることに気づけば、欲望や不安などの煩悩から解き放たれ、今に生きられるようになります。また、自分が満たされていると気づくことができます。自分の仏性に気づくことを『悟る』と言い、坐禅等の行によってピュアな自分を見いだすことを、禅は目指すのです」と語る

 仏教ブームも手伝って、ここ数年、坐禅会へ参加する30〜40代の男女が激増しているという。

「坐禅後は、皆さんの表情が驚くほど穏やかになります。忙しい人ほど無になって、自分を見つめ直す時間が必要です。すると、ストレスや欲望、執着などの『心のメタボ』が薄くなります。煩悩を完全に取り除くことはできなくても、薄くすることは誰にでもできるのです」

 政治家や一流経営者には坐禅愛好家が多いが、勝海舟や山岡鉄舟など、維新時に活躍した先人にも坐禅に取り組んだ人物が多いとのこと。

「禅は知識を得るだけで済ませるのではなく、体感することが大事」と枡野氏。

 坐禅して「心のメタボ」をなんとかしようにも、リアルに腹のメタボがつらい……。

【枡野俊明氏】
曹洞宗建功寺住職。庭園デザイナー。多摩美術大教授。ニューズウィーク日本版「世界が尊敬する日本人100人」に選出される。著書に『禅的シンプル仕事術』(実業之日本社)、『禅‐シンプル発想術』(廣済堂あかつき)など多数

イラスト/師岡とおる
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禅的シンプル仕事術

“禅”で仕事はうまくいく

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