更新日:2022年07月07日 18:49
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“かたち”のない「禅の心」を表現した美術作品が大集合

 臨済宗および黄檗宗の源流に位置する中国の禅僧・臨済義玄(?~867年)の没後1150年、日本における臨済宗中興の祖である白隠慧鶴(1685~1768年)の没後250年を記念して、京都国立博物館で特別展覧会「禅―心をかたちに―」が開催されている。

禅の世界は「言葉では説明できない」

2階展示室の広々とした空間では、障壁画などスケールの大きな作品をゆっくりと鑑賞できる。中央のベンチに座れば、必然的に禅の心と向き合う恰好になる。贅沢な空間の使い方だ

 およそ1500年前、菩提達磨によってインドから中国へ伝えられたとされる禅宗。鎌倉時代に日本にもたらされ、武家だけでなく天皇家や公家さらには民衆まで広がり、日本の思想や社会、文化に大きな影響を与えた。近年では欧米でも「ZEN」の思想が広がりつつある。  特定の経典を持たない禅宗の教えは、言葉や文字によらず、師の心から弟子の心へと以心伝心で受け継がれてきた。菩提達磨も「言葉では説明できない」という意味の「不立文字(ふりゅうもんじ)」(『小室六門』「血脈論」)という標語を掲げている。  そうした祖師たちの教えである「心」を、「かたち」という美術に昇華した禅の奥深さや、禅の成立・日本へどのように伝わり広がったか、そしてどのような影響を及ぼしたかを紹介する展示となっている。禅の初心者にはわかりやすく、悟り間近の熟練者(?)も大満足間違いなしだ。
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新発見の貴重な禅画も初公開
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