日米ジャイアンツが目指す「優勝リング」の違い
ワールドシリーズ(WS)に日本シリーズ。野球ファンにはたまらない季節がやって来た。
アメリカではこの時期になると「オクトーバー・ベースボール(10月のプロ野球)」というフレーズをよく耳にする。頂点を目指して最後の大舞台に挑む“選ばれし男たち”は、長いペナントを勝ち抜いたリーグ王者の証。ゆえに「オクトーバー・ベースボール」という言葉には、彼らへの称賛が含まれている。
この秋は、日本もアメリカも、「ジャイアンツ」が熱い。
サンフランシスコ、東京の両ジャイアンツが、リーグ優勝決定シリーズで、共に崖っぷちまで追い込まれてからの3連勝で、逆転優勝を決めたのは、記憶に新しいところだ。
日米両国で同じニックネームを持つ球団は、現在「ジャイアンツ」と「タイガース」の2球団だけ(以前は「ブレーブス」が含まれたが、日本は消滅)。
そして、日本シリーズよりひと足先に開幕した今年のWSは、奇しくもジャイアンツ対タイガースの初顔合わせだ。
ワールドシリーズと聞くと、どこか遠い世界の話と思えてしまう我々にとって、今年のWSは、巨人阪神を連想できる少し身近な組み合わせだろう。(現在ジャイアンツが2連勝)
日本シリーズが誕生した1950年以降、日米両国のジャイアンツが揃ってワールドシリーズ・日本シリーズまで勝ち上がったのは過去3度(’51年、’89年、’02年)ある。
いずれの年も東京ジャイアンツはシリーズを制したが、本家サンフランシスコは3度とも敗退。一方で日米タイガースによる揃い踏みは、過去一度もない。今年こそは、史上初となる「日米ジャイアンツのダブル優勝」となるだろうか?
さて、10月のベースボールを戦った男たちには、球団からのご褒美として、優勝リングが贈られる風習がある。勝者はWS王者/日本シリーズ王者。敗れたチームも立派なリーグ王者のリングが贈られる。筋骨隆々の男たちが、このリング欲しさに戦を続けるだけあって、特に本場アメリカのリングはモノが違う。
チームスタッフとして’98年の横浜ベイスターズで日本一、’02年のサンフランシスコ・ジャイアンツでリーグ優勝を経験した小島克典氏(39)のリングを比較すると、その差は一目瞭然だった。プラチナ製の日本一のリングももちろんカッコイイが、ダイヤが散りばめられたSFのリングはWSで敗れた年のモノ。WSの勝者に贈られるリングがどれほどスゴイかは、想像に難くない。
25日のドラフト会議では、アメリカのメジャーを志す姿勢を見せた花巻東高の大谷翔平投手。アメリカでは100人の新入団選手が5年以内にメジャーに昇格できる割合は、1人から2人と言われている。
WSの舞台も華やかなリングも、厳しき世界だからこそ。どうか若きチャレンジャーには悔いのない10月の決断を下してほしい!
<取材・文/NANO編集部>
海外サッカーやメジャーリーグのみならず、自転車やテニス、はたまたマラソン大会まで、国内外のスポーツマーケティングに幅広く精通しているクリエイティブ集団。「日刊SPA!」ではメジャー(MLB)・プロ野球(NPB)に関するコラム・速報記事を担当
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