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日本だけ野菜の消費量が伸び悩む。サプリメントの氾濫が原因か

 厚生労働省が推奨する1日の野菜摂取量は350g。だが同省の調査では20~40代の約7割がそれに達していないことが判明! しっかり食べていたつもりなのに……けれども、野菜をどこで、どの程度、どのように食べればいいかすらわからない。そんな野菜難民を野菜の達人たちが指南する。

1日必要量の野菜を一度には到底ムリ… ※写真はイメージで1日の必要量というわけではありません

朝昼晩のグラデーションで一日350gは食べられる!

 野菜食の普及に努める「野菜と文化フォーラム」専務理事の川口和雄氏によると、世界的に野菜の消費量は増加傾向にある中、日本だけが伸び悩んでいるという。 「アメリカでも増えていますし、韓国はキムチを食べるので日本の2倍。日本も昔は漬物を食べていたので野菜の消費量は多かったのですが、減ってしまった原因は食生活の洋風化はもちろん、サプリメントの氾濫です」  だが「1粒でキャベツ1個分の食物繊維」などと謳うサプリメントは野菜そのものとは総合的な栄養価がまるで違い、サプリメントは栄養素が十分に吸収されないまま排出されてしまう。  また、値段の高さで敬遠されることもあるが「季節の旬の野菜以外は総じて高い。旬のものであれば値段も安く、栄養価も高く、最もおいしく食べられます」という。  問題は、どうすれば一日350gもの野菜を食べることができるのかという点だ。農林水産省によると350gは小鉢(小皿)1皿(約70g)を5皿分と数えるが、生野菜だとボウル山盛り一個分だ。 「まず、加熱調理で栄養素がなくなることを気にしてサラダで摂るべきと考える人が多いと思います。しかし350gを生で摂るのは量が多すぎて難しい。そこで朝はポタージュ、昼をサラダや小鉢、夜は煮物などにすれば無理なく摂取できます」

朝にポタージュ。朝昼晩で分ければ必要量クリアはさほど難しくない

 厚労省によると30~40代男性の平均野菜摂取量は250~280g前後。まったく野菜が摂れていないわけではないと仮定すると、あと100g程度を足せばいい。例えば、ホウレン草のおひたしなどの小鉢を昼の定食に足す、夜、お酒を飲むときに野菜メニューを1品足せば、350gに達する。これなら割と簡単そうだ。それ以上の酒と油と肉を食べてしまえば、水泡と帰すが……。今日から3食それぞれに、野菜を一品増やしてみよう。 【野菜と文化のフォーラム・川口和雄氏】 「文化としての野菜」という概念から野菜食を普及拡大することを目的に、’88年設立された特定非営利活動法人「野菜と文化のフォーラム」専務理事を務める 取材・文/週刊SPA!編集部 ― 野菜を食べまくる技術 ―
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