小沢裁判傍聴記【後編】カミカミの指定弁護士で大丈夫?
―[小沢裁判傍聴記]―
←【前半】「爆睡する記者が5人も」
指定弁護士の主張は、予想どおり“推認”の域を脱しなかった。小沢氏が毎朝、自宅で秘書と意見交換を行い、意にそぐわぬ行為があった場合には厳しく秘書を叱責していたことなどにも言及。石川知裕衆院議員が秘書時代、裏紙をファクス用紙に使わなかったことに気づいて、小沢氏が激怒したというエピソードも披露された。
それだけ厳しく指導していたのだから、「小沢が多額の資金を有していると周囲に疑われ、マスコミなどに騒がれないための手段(として虚偽の記載をした)と推測され(中略)被告の共謀共同正犯の成立が強く“推認”される」というのだ。ここで午前の部は終了。
午後1時10分、ふたたび開廷。弘中弁護士による弁護団側の冒頭陳述に入る。元秘書に対する検察の取り調べで自白の強要があったことを強調しながら、そもそもの取引の正当性を主張。
件の土地売買に関して「不動産取引の通念に照らしても、会計学的見地に立っても何ら問題のないことは明らか」と、こちらは歯切れがいい。指定弁護士が使った「推測され」「推認され」という表現とは対照的だ。
小沢氏にも自信が漂う。象徴的だったのは、再度の休憩を挟んで指定弁護士と弁護団による、採用証拠の読み上げが行われた後の閉会直前のこと。裁判長が第2回公判の日取りを告げ、「被告は必ず出席するようにしてください」と2度念押しすると、小沢氏は中空に目をやりながら「わかりました!」とひと際大きな声で答えたのだ。産経新聞は「小学生が返事をするように……」と綴ったが、SPA!の印象もまったく同じ。ふてぶてしく感じたほど。
正直、指定弁護士と小沢氏も含めた弁護団とは、格が違う……というのがSPA!の感想。というより、指定弁護士がカミカミで、少々ヘタレっぷりが目立った格好。第2回公判は10月14日の金曜日。一般傍聴人と間違われて、閉廷後、3度もマスコミから取材依頼を受けてしまったSPA!ですが……“小沢裁判”を追っかけ続けます!
取材・文/急造SPA!政治部(山崎元・池垣完) ハッシュタグ