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ゴーン前会長の報道は恥さらし? 日本の司法は文明に値しない/倉山満

世界の文明国から「日本というのは前近代的な非文明国なのか」と思われている

カルロス・ゴーン

3月6日、日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告(64)が100日以上に及ぶ勾留生活を続けた東京拘置所から保釈された、と各メディアは報じるが……(写真/時事通信社)

 日産のカルロス・ゴーン前会長釈放、などと書くと犯罪者のようだ。実際、多くの活字メディアがこのような書き方をしているし、映像メディアでも同様の伝え方をしている。  日本国の法律の条文上、つまり字面からは、正しい。よって、事実だからそう報じるしかない。だが、世界の文明国からすれば、「日本というのは前近代的な非文明国なのか」と思われていることだろう。  読者の方も一度は、「推定無罪」という言葉を聞いたことがあるだろう。刑事被告人は判決が確定するまで無罪の推定を受ける、との原則である。だから、ゴーン氏を犯罪者扱いするのは、論外だ。ここまでは、誰でもわかろう。  ちなみに、私はゴーン氏をめぐる事件を一切、追っていない。だから、何の事件で、何が問題なのかもわからないし、真相など知る余地もない。部外者のクセに真相をしたり顔で話すほど、厚かましくもない。  だが、ゴーン氏の事件が外国に報道されるに及び、我が国の司法が文明の名に値しないと暴露されている現状は憂慮する。もちろん、恥をさらしたことではなく、事実として我が国の司法制度が文明の名に値しないことに対してだ。  根本的な近代文明の大原則を、読者諸氏に問いたい。刑事裁判において、「裁かれる」のは誰か? まさか被告人だと思っていないか? もし本気で「刑事裁判で裁かれるのは被告人だ」と思っているなら、その人は野蛮人だ。と言って悪ければ、前近代的な非文明人だ。  近代において、「文明国の通義」という掟が国際社会には存在する。憲法などの法律の条文に書かれていようがいまいが関係なく、守らなければ文明国と認められないとされる原則のことだ。すなわち、国民の権利保障、権力分立、民選議院の3つである。国民の権利を守るためには絶対的な権力が存在してはならない。国民の権利を制約するためには、自らの代表である選挙された議員が制定した法律に基づかねばならない、とする原則のことである。
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個人の権利を侵害できる国は、文明国ではない
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