北陸新幹線駅開通で金沢・富山に“観光バブル”到来か
10月末、日銀が追加金融緩和を発動! しかし富める者はさらに富むばかり。アベノミクスは持たざる者には厳しかった……その一方で、我ら庶民が享受できるひそやかなバブルは訪れていた!? そんな“景気のイイ話”、局地現象の数々を追った
◆来年に北陸新幹線駅開通<金沢・富山の観光バブル>
’15 年3月14日、北陸待望の新幹線延伸により北陸新幹線の長野~金沢間が開通する。そこで、特に熱い視線が注がれバブルの様相を呈しているのが富山県富山市と石川県金沢市である。
商業都市である富山駅周辺には従来、ビジネスマン向けのホテルが多いが、ここ数年で新幹線開業を睨んで新たなホテルがいくつか開業している。既存のホテルも改装作業や新たな観光客誘致プランの準備に余念がない。
「新幹線開業は長年待っていた最後のチャンス。金沢が観光面では強いのがわかっているので、何とか手前の富山で下車していただく、あるいは金沢から富山にもお越しいただく観光動線を築くことが急務です」(ます寿司販売店店主)
金沢ではここ2年で、長年空いていた駅周辺のテナントや、飲食店向きの物件家賃が上昇中。全体的な地価を見ても、’08年中盤から下がり続けていた地価も下げ止まり、’13年前半からプラスに上ぶれている。駅周辺には単身向けマンションも次々と完成、好調な販売が続いているという。
「海外から旅行を兼ねた投資物件視察ツアーも年初からかなり来てます。新幹線駅が開業すれば、LCCで入ってくる最初の都市にも選ばれやすい。これでLCC、クルーズ船、新幹線と3本の矢が揃います」(モデルルーム店員)
一方では、慎重な意見も。
「首都圏や関西とは違い、金沢駅前・ひがし茶屋・片町・香林坊・兼六園に寺町、このあたりの観光エリアの不動産が動く“期待バブル”かもしれない。北陸人は手堅く辛抱強いので客足を見てから参入という様子見の事業者も多い。客入りによってはもう一段上のバブルとなり、銀行管理物件もいくつか生き返ると思う」(老舗呉服店店主)
地元の期待値が非常に高まっているのは確かだ。
― ここだけは好景気![局地的バブル]大調査【1】 ―
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