世界的な大麻解放の流れに逆行し、日本が取締まりを強化するのはなぜ?
大麻関連での逮捕者が続出している。その陰で、日本の“安全な大麻”が消滅の危機に陥っているという。この逆風のなか、あえて「大麻復活」を叫ぶ人々を直撃した。
伊勢麻の栽培復活を目指す農業法人「あさって」代表の松本信吾氏は「国産大麻が希少になりすぎて、神事でさえも使えないということを知り、『このままではいけない』と思いました」と語る。
「神社では大麻を祓え具にしたり、注連縄や鈴緒にしたり、熨斗袋を縛るのに使ったりしています。しかし、この大麻が希少になりすぎて、お金のない神社では中国産を使い、中国産も使えない神社は大麻に似せたビニールで代用しているという状況です」(松本氏)
そもそも、逮捕者が続出している「大麻」の栽培を守りたいというのは、どういうことなのか?
「現在、逮捕者が続出している“薬物”としての大麻は外国産のものです。一方、産業用の国産大麻は精神作用を持つ物質であるTHC(テトラ・ヒドロ・カンナビノール)がほとんど含まれていないんです。ノンアルコールビールやドリンク剤にもアルコールが微量含まれているものもあるのと同じで、酩酊するほどの量が含まれているわけではありません。日本にはもともと大麻を吸う文化はありません。国産大麻の成分がドラッグとして適さなかったためです」(『伊勢麻』振興協会理事の新田均教授)
大麻取締法は栽培を“保護する”法律だった
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