たまごの賞味期限は2か月? 正しい保管方法を日本養鶏協会に聞いた
様々な料理に欠かせない「たまご」。冷蔵庫に常備しているという方も多いのではないか。しかし賞味期限が約2週間ほどであることに「なぜ?」と素朴な疑問を抱いた方もいるはず。「もっと賞味期限が長ければ……」と思ってしまうこともあるだろう。
「たまごの賞味期限は科学的な根拠をもとに決めています」
そう話すのは日本養鶏協会アドバイザーの信岡誠治氏。鶏卵日付等表示マニュアル改定検討委員会の「鶏卵の日付等表示マニュアルー改訂版ー」には、「鶏卵を生食できる期限の算出根拠」として、公式が明記されている。
「1994年にイギリスのハンフリー博士らの研究から、たまごの温度と保存期間の関係を調べた膨大なデータにより生まれた公式があります。その式でたまごが安全に食べられる期間を算出しています。これは、卵黄膜が劣化し破れるまでの期間のことなのですが、たまごは卵黄膜が破れると急激に劣化してしまいます。卵黄膜は温度上昇に比例して早く破れますので、最も早く破れる恐れがある夏場に合わせてスーパーなどで売られているたまごの賞味期限は設定されています」(信岡氏、以下同)
冬場であれば記載されている日付よりももっと長く賞味期限が持つということだ。たまごを保存する温度が10℃であれば2か月程度、20℃であれば1か月程度は持つという。だが、28℃の場合は16日程度のため、各家庭の保存状態がわからないことやリスクを考慮し、安全に食べられるよう短めに賞味期限が設定されているということなのだ。
とはいえ、賞味期限を忠実に守る私たちにとって、賞味期限を過ぎたものは食べられないかというとたまごの場合決してそんなことはない。
「基本的には、腐ったら食べられないと判断してください。腐るとものすごい臭いがします。恐らく嗅いだことがある人はほとんどいないと思います。臭いがして腐っているとわかる場合には食べてはいけません。しかし、賞味期限を過ぎていても、腐っていなければ70℃で60秒加熱するとサルモネラ菌が死にますので、食べても問題ありません。賞味期限はあくまで“生食できる期間”と捉えてください」
基本的には腐っていなければ、加熱することで殺菌できるという。
その一方でアジアの商店などでは、店先に売り物のたまごがずっと置きっぱなしになっていることも多く、店主が賞味期限を気にするそぶりもない。たまごの賞味期限が短いのは日本だけなのだろうか。たまごのプロが教示する「リアルな賞味期限」とは……? 日本養鶏協会に話を聞いた。
じつは「短め」に設定されているたまごの賞味期限
賞味期限はあくまで“生食できる期間”
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インタビュー・食レポ・レビュー記事・イベントレポートなどジャンルを問わず活動するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり店長を務めた経験あり。X(旧Twitter):@KA_HO_MA
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