総額100万円、整形失敗も「ネタにしないと“もったいない”」ド底辺グラドルの軌跡
群雄割拠の“グラビアアイドル”の世界。毎年多くのグラドルが現れては消えていく。そんななかで、高級ソープの面接やAI婚活など、間違ってもグラドルが行きそうにない現場へ潜入し、赤裸々にリポートする。『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(彩図社)の著者である“ド底辺グラドル”兼ライターの吉沢さりぃ氏だ。ネットニュースなどで彼女が書いた記事を読んだことがある人もいるかもしれない。
彼女はいったい、どこに向かっているのか。なぜそこまでするのか。今回は、吉沢氏の半生を振り返りつつ、今後の展望などを聞いた。
——ネットニュースや雑誌でたくさん記事を書かれていますが、今回はそもそも吉沢さんがグラドルになろうと思ったきっかけから教えてください。
吉沢さりぃ(以下、吉沢):小さい頃から親や親戚に「ブス」と言われて、何でもいいから絶対に芸能系の仕事に片足を突っ込んで、見返したかったんですよね。それで、学生の頃に化粧を覚えて、「あれ? 私もグラドルならワンチャンいける?」と。グラドルブームで出てきた人たちを見て、顔はすごく美形とまではいかなくても胸が大きいことで注目されているパターンも多かったんで、この路線はアリなのかもしれないと思って。
大学進学を機に上京して、グラドルデビューは大学3年ぐらいですね。もっとも、大手事務所には受からず、最初は“AV事務所”に所属していました。大学卒業後はフリーターをしながら活動していたんですけど、結局、事務所とうまくいかなくて。過激な要求がエスカレートするなかで、じつは20代前半で1回グラドルを辞めているんですよ。
——AV事務所には入ったけどAVに出るつもりはなかったと。
吉沢:最初は「うちの看板女優にタレント活動のオファーがたくさん来るけど、本人が“親バレNG”で芸能志向が全くなかったので、代わりにタレントとして出演できる子を探している」って話だったんです。それで期待して1〜2年は頑張ったんですが、自分の行く末が見えてしまって……。
その後はキャバクラなどでアルバイトをしていました。筒井都(つついみやこ)という演歌歌手みたいな名前で正統派アイドルを1年ぐらいやったこともあるんですが、クソほど売れず(苦笑)。裏方のマネージャーなどもやりながら、グラドルとして復活したのは29歳の頃。「またグラドルやらない?」と知人に誘われたんです。
——そこから、なぜライターに?
吉沢:どこかで書く仕事をすれば、グラビアの仕事も増えるかなと。マネージャー時代に担当の子が“小説家グラドル”を目指していて、一緒に営業にいくうちに「私もこういうネタあります」と話してみたら「漫画の原作をやってみない?」って声をかけられたのがキッカケです。その後、またグラドル活動も再開することになって“現役グラドル兼ライター”って面白いかも!って。
——なるほど。吉沢さんのネタって、どこか漫画原作っぽい雰囲気があるとは思っていましたが、もともとそこがスタートなんですね。今回の著書『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』は書き下ろしですが、筆が進まず、発売まで2年かかったと聞いております。
吉沢:デビュー作『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』は気持ちと勢いでスラスラ書けたのに、その頃の感覚がわかんなくなっちゃって。ずっと変な1人スランプに陥っていました。なんか、大物作家みたいなこと言っていますが……。
ふだんライターとしていろんな媒体で書いているうちに、“自分の文章ってどんなんだっけ?” みたいな。最初は私じゃない感じで始まって、途中で超バグって、グダグダしている間に、なんとなく感覚を掴んで、最後に全体を整えたという感じです。
——いい意味で“揺れ”がありながら、成長した2年間の記録だったのかもしれないですね。
吉沢:最終的には楽しく書けましたが、血迷った2年間でした(笑)。
幼い頃から「ブス」呼ばわり。芸能人になって見返したかった
ライターとして「超バグった」2年間
1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、マイナビニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催。X(旧Twitter):@tsuitachiii
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『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』 現役グラドルが「他のグラドルが絶対に行かない場所」に行って本気で体験してきた渾身のルポルタージュ。業界のウラ側もちょこっとわかる、どこから読んでも退屈させない1冊。吉沢さん、ここまでやっちゃってよかったんですか……!? |
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