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松本人志は再起なるか?「復帰できる/できない」芸能人の“ブランディング力”の違いとは

 ダウンタウン松本人志氏が、名誉棄損で『週刊文春』を訴えた第1回口頭弁論から数週間が経つが、彼を擁護・中傷する声はいまだ止んでいない。ニュースなどでも、松本氏の周辺が困惑している様子が見て取れる。
松本人志

松本人志氏のX(旧ツイッター)より

 しかし今回のように、芸能人やスポーツ選手に政治家と、昔から世間を騒がせる有名人は後を絶たない。そして、スキャンダル後、数年で復帰する人もいるが、そのままフェードアウトしてしまう人も……。スキャンダルを起こしてもメディアに出られる人と出られない人の違いとは? また、予防方法はあるのだろうか? 共感ブランディングを提唱するブランディング専門家の松下一功氏に聞いてみた。

長所と短所は表裏一体、大事なのは隠さないこと

 自身の不適切な言動やプライベート流出などによって、芸能人生命の危機に立たされる人は少なくない。その後は、プチ炎上程度ですむケースもあれば、数年の自粛の後で復帰する人、芸能界から引退してしまう人とさまざまだ。  松下氏いわく、「メディアに出ている人は自分自身が商品なので、セルフブランディングが重要になります。その観点からお話しすると、ブランディングとは長所を伸ばすことであり、短所を潰すことではありません。しかし、長所と短所が表裏一体であるケースも多々あるため、きちんと伝える戦略を練る必要がある」のだそう。 「例えば、豪快で漢気のあるリーダーといったプラスの評価をされる人物の場合、見方によっては俺様気質で傍若無人などのマイナスな評価をされる可能性があります。それくらい、人の評価は一定ではなく、常にさまざまな角度から見られているのです。それを踏まえると、長所も短所もきちんと伝えることは当然となります」  誰もが、自分のプラス面をアピールしていいイメージを定着させようとするもの。そのため、プラス面しか公表していないと、大きなしっぺ返しを食らうのだ。反対に、プラス面とマイナス面どちらも公表していると、大きなダメージは受けにくいのだという。

ハラスメントに敏感&言ったもん勝ちな世の中

 また、松下氏は「芸能人が長所と短所を伝えきれていない問題以外に、世の中の傾向にも問題があるのではないか」と指摘する。 「ダウンタウン松本さんは自ら芸能活動を自粛しましたが、近年のワイドショーでは、過去の出来事を掘り起こして問題提起するものもあります。ハラスメントに厳しいご時世ですし、特に性犯罪には社会全体が大変敏感になっていますし、もちろん犯罪行為は許せることではありません。  しかし、過去の出来事は当人たちにしか分かりません。裁判で明らかにされない限り、周囲は静かに見守るべきだと思いますが、憶測で批判・中傷をする人が絶えないのも事実です。そこから、さらに問題が独り歩きをしてしまうという悪循環も生まれています……。世の中における社会的なルールが厳しくなっているだけではなく、言ったもん勝ちの傾向も否めないでしょう」
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マイナス面をオープンにしておくテも
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経営コンサルタント、共感ブランディングの提唱者。株式会社SKY PHILOSOPHY 会長。40年近く、企業アイデンティティーやブランドコンセプトの確立を専門とし活動。2011年より「真のブランディングを世に伝える」ことをミッションに、講演、講師、コンサルティングを行う。2024年、著書『共感ブランディング®ドリル』で、自身の体系的オリジナルロジックを一般公開。ブランディングのわかりやすい実践書として高評価を得ている

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