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松本人志は再起なるか?「復帰できる/できない」芸能人の“ブランディング力”の違いとは

マイナス面をオープンにしておくテも

「だからこそ、マネジメントには一層の力を入れる必要がある」と松下氏。有名であればあるほど、いい面も悪い面も、その人物のキャラクターであると正しく伝える戦略が必要だという。すべての言動は、信念に基づいたものであると表現し、ファンに印象付けなければならないのだ。 「あまりいい例ではありませんが、恋愛スキャンダルの予見可能性がある人なら、恋愛観をオープンにするといったことが考えられますし、お酒の失敗が心配される場合は、酒豪の一面があると伝えたほうが無難でしょう。マイナス面を自らオープンにすることに抵抗感を持つ人は多いでしょうが、隠し通した後に露見した場合のことを考えてみてください。イメージ悪化の可能性は捨てきれませんよね」  しかし、人間だれしもがいい面も悪い面も持ち合わせているもの。はじめからどちらの面も公表しておくと、いつしか、その人の人間的な魅力に変化していく。また、何か失敗を犯してしまったとしても、ダメージはそこまで大きくはないと推測できると話す。

スキャンダルをプラスにした「ある芸人」

記者会見

※写真はイメージです

 では、自身の言動が社会から批判を受けてしまった場合は、どうしたらいいのだろうか? 「批判を浴びたら、まずは謝罪をする流れにありますが、『自身の言動に責任を持つ=謝罪』ではありません。日ごろ、応援しているファンのためにも、理由説明と自身の考えを伝えることもセットで行なわなければなりません」  ともすると、言い訳がましいと思われそうだが、「何事にも相互理解は必要。また、ファンはもちろん、世間は問題を起こした当人の発言を待っているのも事実」なのだそう。そのいい例が、お笑いタレント狩野英孝氏の記者会見だという。 「狩野英孝さんは2017年に不祥事を起こした際に、自ら謝罪会見を開きました。その際に、ひとりで登壇して会見をリードし、当面の芸能活動の自粛を発表。集まった記者からの質問にもひとつひとつ丁寧に答えました。反省していることが伝わったのはもちろんですが、真っすぐな姿勢と彼らしい珍解答の連続に、批判的だった世間の風向きも擁護的なものに変わり、半年後には、自身の原点であるお笑いライブで復帰を果たしました」
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知名度があるなら情報発信ではなく情報統制を
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経営コンサルタント、共感ブランディングの提唱者。株式会社SKY PHILOSOPHY 会長。40年近く、企業アイデンティティーやブランドコンセプトの確立を専門とし活動。2011年より「真のブランディングを世に伝える」ことをミッションに、講演、講師、コンサルティングを行う。2024年、著書『共感ブランディング®ドリル』で、自身の体系的オリジナルロジックを一般公開。ブランディングのわかりやすい実践書として高評価を得ている

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