必要な移住者を指名して過疎化した町を活性化【徳島県神山町の取り組み】
―[IT企業が注目する[神山モデル]]―
徳島県神山町にサテライトオフィスを開設するIT企業が増えている。IT系企業を魅了する取り組みと実態を、SPA!記者が取材した。
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◆必要な移住者を指名して過疎化した町を活性化
神山町には“プラス思考の人間が多い”というのも、グリーンバレーの活動が下地になっていた。
「私たちは基本姿勢として、“できない理由より、できる方法を!”と、“とにかく始めろ!”の2つの言葉を掲げています。その結果、全体の意識が変わり、失敗を恐れず、一歩踏み出そうとする考えが広まっていきました」(NPO法人グリーンバレーの理事長・大南信也氏)
そういった考え方や理念に賛同し、’10年10月にクラウド名刺管理サービスのSansanが古民家を借りたのをきっかけに、ダンクソフトやプラットイーズといったIT系企業が、サテライトオフィスを開設していった。だが、神山町は移住希望者すべてを受け入れているわけではない。グリーンバレーの考えで、移住者を先着順で受け入れるのではなく、“神山町が必要とする人材を逆指名する”という手法をとっているのだ。
「重視しているのは手に職を持っているかどうか。町内に雇用の場が限られているので、新しい雇用を生み出してくれそうなところを優先して選ぶようにしています」(大南氏)
この考えが実を結び、7月1日より営業を開始したプラットイーズのえんがわオフィスで働く新社員は全員、神山町を始めとした徳島県民。さらに、追加のスタッフ募集も行われ、ここでは約20人程度働く予定だという。古民家を改築して誕生したオフィスで、社員たちはどのように働いているのか。仕事ぶりをのぞいてみよう。
◆サテライトオフィスを開設したおもな企業
【Sansan株式会社】
事業内容:名刺管理クラウドサービスの企画・開発・販売
’07年に創業し、営業を強くする法人向けクラウド名刺管理サービス“Sansan(サンサン)”を提供。名刺を軸にした情報共有の可能性にチャレンジしており、’12年には個人向け無料名刺管理アプリ“Eight(エイト)”もスタートさせている
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【株式会社ダンクソフト】
事業内容:webデザインおよび、ITによる新しい働き方の導入支援
インターネットサイトから構築、ワークライフバランスを実現する新しい働き方のコンサルティングを行うIT企業。本社のある東京では得ることができない環境を社員に提供する目的のもと、神山町のサテライトオフィスを運営、利用している
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【大南信也氏】
NPO法人グリーンバレーの理事長。もともとは建設会社大南組の社長を務めていたが、’91年より地域活動に関わるようになった
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