韓流新女王・T-araライブ密着レポート
「少女時代の顔が見分けられない。みんな同じ顔に見える」という素朴な疑問に端を発した昨年2月発売の小誌特集ページ「美脚9人組[少女時代]の見分け方」を担当して以来、ボンヤリとK-POP前線を俯瞰してきた小誌記者・スギナミ。
少女時代、KARAに関しては、個々のメンバーがどんなにメイク・髪型を変えたとしても顔と名前を判別できるまでに成長。その成果もあってか、月2、3のペースで通う韓国スナックで「KARAの5人と合コンをするなら、どう動くのがベストか?」という常連オヤジ客からの問いに対して、「魔性の女・ニコルからの下心を試すようなエロから身をかわし、ギュリの目を盗んでスンヨンに狙いを定める……」なんて模範解答を導き出せるまでになったのである。
しかしライブ会場に足を運んだり、握手会に参加するほどの情熱はない。どんなに理論武装をしたところで、そのグループに熱狂できなければ英単語や数式と同じ退屈な丸暗記にすぎない……のだが、ついにその壁を打ち破るグループに出会えた。少女時代、KARAに次ぐ第二世代ガールズユニット最強の呼び声高い韓流新女王、歌謡界のカメレオンことT-araである。
多くのユーザーがそうであるように、you tubeでMVを観るところからスタートするわけであるが、とにかくダンサブルな楽曲と繰り返しのフレーズに中毒性があり、気付けば一度に2~30回もヘビーローテーションしてしまう。
MVの内容にしても一つのシングル曲に4~5バージョンあるのが当たり前。特に「cry cry」→「lovey dovey」では、それぞれ20分というMVにしては長尺の恋物語を展開するほどの凝り具合。ハングルで語られるこれらのストーリーを解読するため、翻訳&解説サイトを探り回り、一日の大半をT-araに費やす――なんてことは日常茶飯事となっていた。
ダンス、演出共に洗練さを増し、アイドルというよりもアーティストとしての色が濃くなる少女時代とは対照的に、「無骨な楽曲、ダサかっこいい衣装、大仰な歌詞とストーリー性」を全面に押し出すT-ara。そんな彼女たちが昨年韓国で発売した「Roly Poly」は2011年最高のヒットソングとなった。こうなるともう、K-POPは「T-ara以前とT-ara以後に分断される」といっても過言ではないだろう。
ここまでのめり込んでくると、ナマT-araを見ずにはいられない。焦燥感を抱く記者の耳に入ってきたのは、1月25日~27日に代々木第一体育館で開催される日韓合同のファッションイベントKISS(KOREAN INTERNATIONAL STYLE SHOW)の2日目にT-araが出演するという情報だった。
イベント当日、ファッションショーとライブが交互に繰り返されること1時間半。ネコ耳ダンスでおなじみの「bo peep bo peep」のBGMと共に暗闇の中から姿を表したT-araの6人(前日、練習後の雪道で転倒し、足を怪我した井上和香似のウンジョンは事前の通達どおり、残念ながら欠場)。K-POP随一の美形・ジヨン、モデル体型のクール美女・ヒョミン、そして記者が愛してやまないチビっ子・ボラムが目の前のステージで「ボピ、ボピ、ボピ」と躍動する。
鼓動が収まる間もなく、多くのT-ara中毒者を出す元となったノリのいいポップス「Why Are You Being Like This」。メインボーカル・ソヨンのたどたどしい日本語MCを挟み、珠玉のバラード「cry cry」と続き、思わず目頭が熱くなる。そして最後に2月29日に日本語版が発売される「roly poly」を披露。
チョン・ボラム、イ・キュリ、パク・ソヨン、ハム・ウンジョン!
パク・ヒョミン、パク・ジヨン、リュ・ファヨン GO GO!
コルモティジャン ティアラ!(ガキ大将T-ara)
カヨゲィ カメレオン!(歌謡界のカメレオン)
ロリポリ ティアラ!
ティ・ア・ラ GO!
イベントの性質上、実際に上記のかけ声が叫ばれることはなかったが、いつの間にかそらで口ずさめるようになったこのフレーズを、人知れず胸の中で反芻。「ガキ大将T-ara」の意味はよくわからないが、少女時代を応援する際の有名なかけ声、
チグムン・ソニョシデ!(今は少女時代)
アプロド・ソニョシデ!(未来も少女時代)
ヨンウォニ・ソニョシデ!(永遠に少女時代)
などからもわかるとおり、韓国のアイドルファンは実話誌のキャッチコピーのように仰々しいフレーズがお好きのようだ。
今年1月に早くもトリプルクラウン(韓国の3大音楽番組のヒットチャート1位を3週連続で取ること)を達成した新曲「Lovey-Dovey」のお披露目がなかったのは残念だが、大音量のライブ会場で味わうT-araの魅力を五感で満喫……したはずだったが、どうにも腑に落ちない。素人目に見て、明らかにパフォーマンスに精彩を欠いているように見えたのだ。
当初は「前のめりにアピールしてくるウンジョン不在が失調の原因か?」とも思ったのだが、その後のT-araウォッチングを続ける中で、どうにも看過できない事態が発生していることに気付いたのであった……。 <取材・文/スギナミ 画像/Kiss実行委員会>
※ 【後編】へ続く⇒https://nikkan-spa.jp/147826
睡眠時間30分!T-ara発言の真相とは?
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ