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ミスチル桜井、長渕剛クラスの歌手がバトルに負ける…ガチすぎる韓国リアリティショー

私は歌手だ

『私は歌手だ』(MBC公式HPより)

『私は歌手だ』の衝撃

 とにかく視聴者の度肝を抜くような構成が多い韓国のサバイバル系オーディション番組。その中でも「おそらく日本では絶対に作れないはず」とピョ・ジェシク氏(コンテンツ供給会社/芸能プロダクション・JAKE社長)が太鼓判を押すのが『私は歌手だ』(MBC)という番組だ。 「これは観ていてヒリヒリしますよ。プロ同士のバトル番組なんですけど、日本で言えばMr.Childrenとか長渕剛クラスの大物が対決して次々と負けていくんです。そんなの事務所のメンツ的にありえないじゃないですか。  実際、第1回の放送ではキム・ゴンモというB’zクラスのアーティストが登場して、予選であっさり脱落しましたから。さすがに視聴者は唖然としますよね」(ピョ・ジェシク氏)  この『私は歌手だ』を仕掛けたキム・ヨンヒというプロデューサーは、韓国業界内ではかなりの重鎮。「この人の言うことだったら仕方ないか」とアーティストたちも納得するだけのキャリアを積んでいる人物なのだという。また対決する相手の音楽ジャンルが違う場合は、負けてもさほどイメージ的に傷つかないという面はある。  たとえばトロット(韓国演歌)とロックバンドの対決、ヒップホップとバラード歌手の対決だったら「これは実力の問題ではなく、視聴者の印象論だから」と言い訳も可能になる。さすがにそのへんはスタッフも気を遣ったということだろう。 「『ミステリー音楽ショー 覆面歌王』(MBC)はルックスを度外視した完全実力主義の番組。どれくらい度外視するかというと、登場してくる人たちが覆面を被っているんです。手の形もわからないように手袋までしていますしね。ただし、出てくるのは全員が有名人。本職の歌手、お笑い芸人、俳優、スポーツ選手、モデル……などです」(同)  一方、『本物は誰だ!~HIDDEN SINGER~』(JTBC)の場合は覆面ではなく、曇りガラス越しに姿が断定できないように出演者が登場する。5人出てくるとしたら、4人はモノマネが上手な人なんですけど1人は張本人なんですね。  たとえばですが課題曲がサザンオールスターズの曲だとしたら、みんな桑田節で一生懸命モノマネしていて、何小節かずつ歌う中で桑田佳祐本人が混じっているという構図。それで『一番ダメな人は誰?』ということで審査員はニセモノを落としていくんですけど、たまに本人が落とされちゃったりするわけです」(ピョ・ジェシク氏)
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出版社勤務を経て、フリーのライター/編集者に。エンタメ誌、週刊誌、女性誌、各種Web媒体などで執筆をおこなう。芸能を中心に、貧困や社会問題などの取材も得意としている。著書に『韓流エンタメ日本侵攻戦略』(扶桑社新書)、『アイドルに捧げた青春 アップアップガールズ(仮)の真実』(竹書房)。

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