更新日:2012年05月15日 19:14
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【藤沢数希氏】コダック倒産から見えたもの

◆マネーな人々 今週の銭格言 【選者】人気ブログ「金融日記」管理人 藤沢数希氏 ’12年1月19日、米コダック社は、67億ドル(約5000億円)の負債を抱え、日本の民事再生法に相当する「連邦破産法第11条」の適用を申請した。同社の破産から見えてくる、「イノベーション(新機軸)」がもたらすものとは? ◆大企業はイノベーションのジレンマでつぶれる  創業130年の歴史を持ち、写真フィルムの代名詞にもなっていた名門の米コダック社が破産した。デジカメの普及によって、主力事業のフィルムの収益が大幅に悪化し続けたからだ。しかし、デジカメを最初に開発したのは、ほかでもないコダックだったのだ。コダックは現在でもデジカメ関連の多くの特許を保有している。  カメラ事業は大変儲かるビジネスだった。カメラを買った後にも、人々はフィルムを買い続けなければいけない。フィルムでも儲かり、そして写真を現像するときにもまた儲かる。しかし、デジカメではフィルムでも現像でも儲からないし、つい数年前までデジカメの画質はフィルムに比べてかなり見劣りした。結局、コダックはデジカメへの参入に遅れ、キヤノンやニコンなどの日本勢に負けてしまう。  このように伝統ある大企業が、新しい安価な技術にあっさりと駆逐されてしまうことは珍しいことではない。イノベーションのジレンマである。一つの技術の普及により、大企業のビジネスモデルが瞬く間に破壊されるのだ。そこではかつての成功体験がマイナスの価値になってしまう。必ずしも高品質ではないが、安価な破壊的イノベーションは、巨大企業を簡単にひっくり返してしまうのだ。 【後編】に続く⇒https://nikkan-spa.jp/156426 ネットは破壊的イノベーションの宝庫 【藤沢数希氏】 欧米の研究機関にて計算科学、理論物理学の分野で博士号を取得。その後、外資系投資銀行に転身。主宰するブログ「金融日記」は月間100万PV、ツイッターのフォロワーは6万人に及ぶ。最新刊『「反原発」の不都合な真実』(新潮新書)が発売中
物理学研究者、投資銀行クオンツ・トレーダー職等を経て、作家・投資家。香港在住。著書に『外資系金融の終わり』『僕は愛を証明しようと思う』『コスパで考える学歴攻略法』などがある
「反原発」の不都合な真実

『反原発』を冷静に論ずる

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