『まどか☆マギカ』にオッサンが涙する理由
今期アニメが始まったにもかかわらず、「まだ『まどマギ』かよ!」というツッコミは甘んじて受け入れよう。だがしかし、まだ語り足りないのだ。かくいう筆者は35歳の立派な中年。嫁もいる。アニメ感度は「『消失』を観て始めて長門の良さに気付いた……」程度のいわば「にわか」である。そんなオッサンをも虜にして離さない『まどか☆マギカ』の魅力とは何なのか? 以下、中年男たちが激白する。
「最後にね、友情がね、奇跡を起こすんですよ……」と切なげに語るのは、精密機械メーカーで営業職の中山亨さん(仮名・38歳)だ。
「まどかとさやか、まどかとマミさん、さやかと杏子、いろんな組み合わせの友情が描かれますが、すべて過酷な運命に翻弄され報われない結果を迎えます。でも、まどかとほむらだけが最後の最後に奇跡を起こす。しかも、まどかは因果を受け入れ、せっかく成就した友情という絆をも軽々と乗り越えてしまう。なんか、その奇跡に立ち会えたことに感謝したくなるんですよ」
週刊SPA!7月19日号で縦横無尽に語ってもらった。
最後になってしまったが、某氏の印象的な言葉を紹介しておこう。
「ループ前のほむらもいいし、眼鏡のほむほむも……いい。……選べない」
もう何も怖くない。
文/犬飼孝司(本誌)
(C)Magica Quartet/Aniplex・Madoka Partners・MBS
⇒詳しくは週刊SPA!6/19号にて(電子雑誌版も発売中)
※お手持ちのPC・スマートホンから、購入・試し読み・目次の閲覧ができます
保険会社に勤める斉田哲治さん(仮名・42歳)は「僕も、まどかのように取り柄がないんですよ。『僕には何ができるんだ?』って、ずっとそういうふうに悩んでいました」と告白する。
「いわば凡人であるまどかが、選択を繰り返し何かを得たり失ったり。だからこそ最後の選択に心が震えるわけです。お母さんが背中を押してくれるシーン、歴代の魔法少女たちを慰撫するシーン、あぁ、もう目から汗が……。あ、でも、杏子も好きですよ」
「まどかの行為は滅私のようで、その実、愛する人たちとの関係性を内包し続けるという自己愛で、本人もそれに自覚的」と気難しい顔で語るのは高城亮さん(仮名・34歳)。
「周囲や視聴者が感じがちな悲しみは、『忘却されること』が『死』と近似的だからだろうけど、彼女は死んでいないので、本人は案外平気だと思う。宗教、倫理規範のない日本におけるボランタリズムのあるべき姿にも通じ、『ボランティアが好き』と言うたびに周囲に怪訝な顔をされてきた自分を肯定してくれた気がするんです」
聞けば、社会学者の宮台真司氏、評論家の宮崎哲弥氏、幹細胞生物学者の八代嘉美氏といった“知の巨人”たちも同様に『まどマギ』にハマっているというではないか。そこで、彼らにも現在発売中の
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ